日本金属、ステンレス精密管「ファインパイプ」拡販 ハノーバーメッセに出展新鋼種も投入

 日本金属(社長・下川康志氏)はステンレス精密管「ファインパイプ」の世界拡販に向け、世界最大の国際産業技術展示会であるハノーバーメッセ2018(4月23~27日、独ハノーバー市)に出展する。新鋼種の高強度オーステナイト系ステンレス「NKZ304NF」のファインパイプも出展する。

 ファインパイプは、シームレスパイプに対して寸法精度や強度、コストに優れる溶接引抜管で、独自の品質検査技術により保証した製品を自動車、計測機器、プラント配管向けなどに販売している。ハノーバーメッセでは「シームレスパイプからファインパイプへ」をテーマに、ファインパイプの優位点や特長、独自の保証方法などをアピールする。

 開発したばかりでこれから市場投入する新鋼種も紹介する。「NKZ304NF」は強度が700メガパスカル、耐力が400メガパスカル(焼鈍仕上時)と高く、ロウ付け性や耐食性に優れる。熱膨張係数などはSUS304と同等のため、使用頻度の高いSUS304部品との相性も優れる。強度向上や軽量化が要求される自動車部品や、高強度を生かした薄肉化効果が得られる高圧配管などに適している。

 ファインパイプの拡販に向けて品質保証体制も強化している。昨年末に技術研究所にパイプの内圧疲労試験機を初導入した。開発材を物性評価試験データとともに提供できるようになり、顧客に対する提案力を強化した。

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