【MLB】大谷翔平の「パワーは本物」 そして投手を「恐れさせた」1本のヒット

投手としてだけでなく打者としてもメジャーで強烈なインパクトを残している大谷翔平【写真:西山和明】

本拠地デビューから2戦連発、1本目の本塁打に「あまりに素晴らしい打者」

 3日(日本時間4日)の本拠地デビュー戦で初打席初本塁打を含む3安打の活躍を見せたエンゼルス大谷翔平は、4日(同5日)のインディアンス戦でも昨季のサイ・ヤング賞右腕コーリー・クルーバー投手から2ランを放った。二刀流右腕は投手としてだけでなく打者としてもメジャーで強烈なインパクトを残し、その衝撃は全米に広がっている。

 そんな中、メジャー通算225セーブの名クローザーは本拠地開幕戦での1本のヒットに注目。「どんな投手も死ぬほど恐れさせるもの」と絶賛している。

 本拠地開幕戦の初回、本拠地初打席でいきなり本塁打を放った大谷。この日も5回の第2打席にサイ・ヤング賞2度を誇るメジャー屈指の名投手クルーバーから同点2ランを放った。その驚異のバッティングにはかつての剛腕投手も惜しみない賛辞を贈った。

「(大谷が初本塁打を放った)トムリンはいいカーブを持っている。彼は同じ場所に投げ続けることができる。カウント2-2でオオタニはあのボールを狙う必要はなかったが……バン! ホームランだった。もしも、彼があのボールを打てると考えるとするなら、あまりに素晴らしい打者と言える」

 こう語ったのは、2008年にフィリーズでクローザーとしてワールドシリーズ制覇に貢献した名右腕ブラッド・リッジ氏。MLBネットワークラジオに出演したメジャー通算225セーブの実力者にとって、最も印象に残ったのは8回の第4打席だったという。中継ぎ右腕ザック・マカリスターの6球目、95マイル(約153キロ)のファストボールを打ち返したセンター前ヒットだ。

「最後のヒットは完璧なレーザーだった。あれはどんな投手をも死ぬほど恐れさせるものだ。バットから115マイル(実際には113マイル=約182キロ)ぐらいで飛び出してきたのだから」

 衝撃的なスピードでバットから飛び出した打球は、まさにレーザービームだった。

開幕後は投打で「感銘的」、果たして1年通しての成績は…

 そして、今季の「打者・大谷」の展望について同氏は「オオタニに対する全体的な印象について、自分にとっては葛藤がある。昨日(本拠地開幕戦)はとても優秀な打者に見えた。洗練されていて、アイデア、アプローチ……彼が持っていないものはない。しかし、この(本拠地)デビュー戦の結果をもって、今年のとても限定された打席で打率.310、15本塁打を突然達成できるようになるとは思えない。だが、私の想像以上の成績を残してくれるというワクワク度が増している」と期待度の高まりを認めた。

「ここから数週間、いや数か月はこの男がまだどうなるかはわからない。内角を攻めた場合、彼が対応できるのか。だが、それが可能だと証明した時には、そこから彼への本当の評価が始まる。展望もね」

 相手投手の内角攻めを乗り切れるのか、それを待ってから評価したいと元剛腕クローザーは語る。その上で、大谷の圧倒的なパワーについては太鼓判を押した。

「私にとっては彼がどのような成績を残すのか予想するのは、あまりに尚早で難しい。彼が打率.250以上のアベレージを残す選手である必要性はない。打率が.230だとしても、彼のパワーは本物だ。打者としては最悪のスプリングトレーニングだったかもしれない。投手としても調整をしていたのだから。だが、レギュラーシーズンでは投打どちらも素晴らしく感銘的だ。スイッチを入れた。彼はスプリングトレーニングの数字など関係ないと言っているようだ。バン! これが俺なんだと」

 並外れた力を持つスラッガーがひしめき合うメジャーで、規格外の大谷のパワーは「本物」と早くも認定されている。

(Full-Count編集部)

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