正電社、通信機器用の遮熱箱開発 メンテナンスコスト低減

 古河電工グループで情報通信関連の機器や部材を製造・販売する正電社(本社・東京都品川区、社長・神子通康氏)は屋外に通信用の電子機器を設置するための高遮熱箱を開発した。筐体のプラスチック板に赤外線を遮断する素材を練り込み、日射環境下でも内部の温度上昇を抑える製品。メンテナンスコストの低減や機器の長寿命化に貢献できる。通信キャリアや通信工事業者への拡販を目指している。

 開発品は電柱上に無線アクセスポイントやルーターなどの通信関連機器を設置するために用いるもの。従来品は内部の冷却ファンを定期的に交換するなどメンテナンスのコストが必要だったが、同社の開発品はファンがないためその費用がかからない。夏場に行った野外暴露試験では内部の温度上昇を汎用樹脂製の箱と比較して8度抑えられた。

 また赤外線をカットするが無線に使用される波長帯の電波は通すことができるため、内部にアンテナの実装が可能。さらに軽いため高所に容易に設置できることも特長となっている。現在は素材のサンプル品を出荷している段階で、早期の事業化を目指している。

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