ヤマハ中須賀が貫禄の独走2連勝/全日本ロード開幕戦もてぎJSB1000レース2

 4月8日、全日本ロードレース選手権開幕戦JSB1000決勝レース2がツインリンクもてぎで行われ、中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)がポール・トゥ・ウインで開幕2連勝を飾った。

 ウエット路面で行われた土曜日のレース1とは状況が変わり、ドライコンディションで始まったレース2。前日に行われた予選のセカンドタイムによってこのレース2のグリッドが決定された。

 ポールポジションは中須賀、2番手野左根航汰(YAMAHA FACTORY RACING TEAM #5)、3番手津田拓也(ヨシムラスズキMOTUL)がフロントロウに並び、レース1で2位表彰台を獲得した高橋巧(チームHRC)は2列目4番グリッドを獲得している。

 好スタートからホールショットを奪ったのは野左根、そのチームメイトの背中を中須賀が追うというオープニングラップ。一方、ヤマハのトップふたりを3番手で追っていた高橋巧(Team HRC)だったが、オープニングラップでマシンからサイレンサーが脱落するというトラブルが発生、緊急ピットインを強いられる。このアクシデントにより優勝争いからは脱落したものの、高橋巧はその後コースに復帰した。

マシントラブルによりピットインを余儀なくされた高橋巧(チームHRC)

 序盤、レースをリードしたのは野左根だ。その野左根の背にぴたりとつけ、中須賀がトップ浮上の機会をねらう。この2台に高橋裕紀(MORIWAKI MOTUL RACING)、渡辺一樹(ヨシムラスズキMOTUL)を加えた4台でトップ集団が形成される。

 5周目、中須賀が野左根を交わしてトップに浮上。しかし野左根も中須賀に食らいつき、この2台が3番手以下を引き離す。9周目を迎えるころには、2番手野左根と3番手渡辺一樹との差は約4秒ほどにまで開いていた。

 トップの中須賀はレース中盤の10周目には1分47秒722のファステストラップをマーク。2番手の野左根を次第に引き離し始め、11周目には野左根に対し約2秒半のアドバンテージを築く。

 野左根は中須賀のペースについていくことはできないもののポジションを守り、トップの中須賀、2番手の野左根ともにヤマハファクトリーのワン・ツーそれぞれが独走態勢に入った。

 トップ2台の後方で激しく火花を散らしたのは3位表彰台争いだ。渡辺一樹と高橋裕紀の表彰台争いに渡辺一馬(Kawasaki Team GREEN)が迫る。さらにはここに清成龍一(MORIWAKI MOTUL RACING)も加わり、4台での表彰台争いに発展する。

 しかし、5番手を走行していた清成が18周目5コーナーで単独転倒。さらに高橋裕紀も表彰台争い集団から遅れ、渡辺一馬と渡辺一樹の一騎打ちにもつれこんだ。

3位争いは渡辺一馬(カワサキ・チームグリーン)と渡辺一樹(ヨシムラスズキMOTUL)の一騎打ちに

 レース終盤の21周目から渡辺一馬と渡辺一樹は何度も順位を入れ替え、そのバトルはヒートアップ。激しいポジション争いを繰り広げながら最終ラップに入った。

 手に汗握る3番手争いを後方に置いて、中須賀は最後までトップを快走。レース1同様に2番手以下に約10秒もの大差をつけて先頭でチェッカーを受け、開幕戦でダブルポール・トゥ・ウインを飾った。序盤トップを走った野左根は悔しい2位表彰台。最後までその行方が注目された3位表彰台争いは渡辺一馬に軍配が挙がった。

開幕戦もてぎは中須賀が2連勝を飾った

以下、JSB1000レース2の順位結果。

■全日本ロードレース開幕戦もてぎ 決勝レース2結果

天候:晴れ 路面:ドライ

Pos. No. Rider Team Motorcycle Total Time/Delay

1 21 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 42’07.532

2 5 野左根航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM #5 YZF-R1 12.586

3 11 渡辺一馬 Kawasaki Team GREEN ZX-10RR 22.124

4 26 渡辺一樹 ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000L8 22.610

5 72 高橋裕紀 MORIWAKI MOTUL RACING CBR1000RR SP2 23.565

6 12 津田拓也 ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000L8 29.703

7 090 秋吉耕佑 au・テルルMotoUP RT CBR1000RR SP2 33.229

8 634 水野 涼 MuSASHi RT HARC-PRO.Honda CBR1000RR SP2 52.442

9 71 加賀山就臣 Team KAGAYAMA GSX-R1000 55.899

10 8 山口辰也 Team SuP Dream Honda CBR1000RR SP2 1’00.291

11 46 星野知也 TONE RT SYNCEDGE4413 S1000RR 1’04.704

12 75 前田恵助 YAMALUBE RACING TEAM YZF-R1 1’10.397

13 25 生形秀之 エスパルスドリームレーシング・IAI GSX-R1000 1’19.214

14 51 ザクワン・ザイディ Honda Asia-Dream CBR1000RR SP2 1’21.105

15 7 濱原颯道 Honda Dream RT 桜井ホンダ CBR1000RRSP2 1’21.153

16 14 中冨伸一 HiTMAN RCKOSHIEN YAMAHA YZF-R1 1’21.929

17 17 渥美 心 TONE RT SYNCEDGE 4413 S1000RR 1’26.325

18 15 松﨑克哉 Kawasaki Team GREEN ZX-10RR 1’33.775

19 70 清末尚樹 チーム阪神ライディングスクール ZX-10RR 1Lap

20 43 中津原尚宏 ATJ Racing CBR1000RR 1Lap

21 34 岡村光矩 KRP三陽工業&RS-ITOH ZX-10RR 1Lap

22 35 近藤湧也 JOYNET GBSレーシングYAMAHA YZF-R1 1Lap

23 53 清水郁巳 Honda浜松エスカルゴ&DREAM高崎 CBR1000RR SP2 1Lap

24 22 児玉勇太 Team Kodama YZF-R1 1Lap

25 37 須貝義行 チームスガイレーシングジャパン RSV4 RF 1Lap

26 44 樋口耕太 H.L.O RACING GSX-R1000 1Lap

27 1 高橋 巧 Team HRC CBR1000RRW 1Lap

28 23 清成龍一 MORIWAKI MOTUL RACING CBR1000RR SP2 6Laps

以上、規定周回数完走

─ 91 柴田義将 リリカ AMENA YZF-R1 12Laps

─ 54 ブライアン・キム TWO WHEEL KOREA SUPPLY GSX-R1000R 12Laps

─ 20 日浦大治朗 Honda Suzuka Racing Team CBR1000RR SP2 17Laps

─ 31 津田一磨 Team Baby Face YZF-R1 19Laps

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