<レスリング>政治のスポーツへの介入との闘いを宣言…UWWネナド・ラロビッチ会長(セルビア)

 国際オリンピック委員会(IOC)の理事であり、世界レスリング連盟(UWW)のネナド・ラロビッチ会長(セルビア)は4月7日、男子フリースタイルのワールドカップが行われている米国・アイオワで、レスリングは公正でフェアプレーにのっとったスポーツであることを再確認する声明を発表した。

 ラロビッチ会長は「多くの国が、政治がスポーツに介入する危険性に直面している。政治がスポーツの世界に入ってくることを許すことはできない。私たちが持っているすべての手段で闘わなければならず、すべての国と競技連盟はオリンピック憲章とスポーツの精神を尊重しなければなりません」と話した。

 今回のワールドカップは、ロシアが政治上の問題と推測される理由で米国に入国できなかったが、内容からして、この事象に念頭においた発言と思われる。他にも最近、イランが政治的な理由でイスラエル選手との対戦を忌避する問題があらためて浮上している。スポーツへの政治介入への闘争宣言と言えよう。

 同会長は、あらゆる国の入国を認める国でなければ、国際大会を開催させないことも示唆した。

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