【日鉄住金建材の高強度ロールコラム】販売好調、累計実績4万トン突破 短納期・重量低減に評価

今年度受注、2割増目指す

 日鉄住金建材(社長・中川智章氏)が展開する高強度・高性能ロール成形コラム「UBCR365」の販売が好調だ。大型建築案件の増加でプレスコラムの需給がひっ迫する中、代替としての機能を発揮。短納期と重量低減効果が高く評価され、採用実績は2012年の販売開始から累計で4万トンを突破した。17年度は目標としていた年間1万トンの受注を達成しており、18年度はさらに2割以上の拡大を見込む。

 「UBCR365」は新日鉄住金と共同開発した高強度ロールコラム。販売開始以来、露出形式柱脚への対応など改良を重ね、昨年には従来品と同等の使いやすさを実現した。

 高強度・高靱性により従来のロールコラム(BCR295)に比べ柱径・板厚のサイズダウンや重量低減効果を発揮し、鋼材価格が上昇する中で高いコストメリットがある。また、納期は3カ月程度と短納期対応力も高く評価されている。

 足元、プレスコラムは新規案件について納期が8カ月以上と長期化しており、その受け皿的な機能を果たすなど鉄骨造普及・拡大の一助となっている。

 日鉄住金建材は16年にプレスコラムメーカーの日鉄住金コラムを統合し、ロールコラムとプレスコラムの事業を一体で推進。顧客の選択の幅が広がり「UBCR365」の浸透が一層進むなど統合効果が発揮された形となった。採用される建物の用途は多岐にわたるが、近年では大型物流倉庫の需要が多く、「UBCR365」の採用も17年度は重量ベースで6割以上を占めた。

 また、件数ベースではインバウンド需要の盛り上がりを背景にホテル向けが30件ほどと旺盛だという。今後は広畑製造所で製造している大型サイズの造管量拡大が見込まれており、6月には月間2千トンの造管が予定されている。

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