長崎市内の被爆遺構などを巡る「平和学さるく」が7日、住吉町付近で開かれた。参加者20人は、長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)会長などを務め、焼けただれた自身の背中の写真を掲げ核廃絶を訴えた故谷口稜曄(すみてる)さん(昨年8月、88歳で死去)が被爆した場所などを訪ね歩き、平和について考えた。
「平和学さるく」は、2008年度から市民団体、ピースバトン・ナガサキ(調仁美代表)が毎年4回程度実施している。参加者は谷口さんが郵便局員だった16歳の時に被爆した住吉町内の場所(爆心地から約2キロ)や、避難したとされる三菱兵器住吉トンネル工場跡などを見学。当時の写真と現在の風景を見比べるなどした。
解説役を務めた松田斉さん(62)は「谷口さんから体験談を聞くことはできなくなったが、こういう機会を通じて多くの人に追体験してほしい」と語った。
参加した市立西城山小6年の原田晋之介君(11)と亀川憲史朗君(11)は「爆風の威力に驚いた。昔と今の地図や写真を見比べ、どこがどんな被害を受けたか知りたくなった」と話した。
故人しのび 平和への思い新た 谷口稜曄さんゆかりの地 巡る 長崎
- Published
- 2018/04/09 12:54 (JST)
- Updated
- 2018/12/10 14:43 (JST)
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