若者の目 自治会運営に ホームページ軸に新たな取り組み 綾瀬市

稼働したHP(上)と、公募で決定したキャラ(下)

 寺尾天台自治会第4区(中原幸一区長)が、独自のホームページ(https://www.ayaseteraotendai4.info)を開設した。これに合わせ、学生にアイデアを募り区のシンボルキャラクターを決定。広報手段強化を軸に会員増強を図るとともに、若い世代を巻き込むことで身近な存在である「自治会」に早くから興味・関心を持ってもらおうという狙いもある。

 ホームページ(HP)作成の機運が高まったのは、2016年度。紙ベースの回覧板では回りきるのに時間がかかり、新鮮な情報を入手しづらいため、手軽にネットで見られるようにしようという発想から始まった。

 全国各地の自治会HPを検索し、レイアウトや情報の内容などの研究と話し合いを重ね、昨年11月から本格的に作成を開始。今年1月からの試行期間を経て、4月から本格稼働している。

 背景にあるのは、全国的な課題となっている自治会加入率の低下。約900世帯を抱える同区では550世帯ほどが入り、加入率も横ばいを維持してはいるが、会員の高齢が進んでいる。

 また、区内に多い世代の40代の加入が少なく、次代を担う人材が育っていないという実情もある。「このままではいつか事業の縮小や中止を検討せざるを得なくなるし、老朽化している集会場の修繕も喫緊の課題としてある。早めに手を打たなければ、自治会運営に支障が出てしまう」と、危機感を募らせる。

 こういった状況の中、若い世代に自治会運営に目を向けてもらおうと綾瀬高校、綾瀬西高校、生蘭学園、日々輝学園の4校に区のキャラクターデザイン公募を打診。2校4人から応募があり、選考委員会で決定した。

 選ばれたのは、日々輝学園高等学校2年(当時1年)生で美術部の柳川琴美さんの作品。普段は食品サンプルで使う材料を使い、ミニチュア家具制作を行っている。

 今回、教諭から募集の話を聞いた柳川さんは、同区が求める「子どもからお年寄りまで親しみやすく暖かみあるデザイン」に、動物園やテレビで見るペンギンがふさわしいと思いつき、タブレットで描き起こしたという。

 同キャラは、日本生まれの4歳くらいのペンギンを想定しデザイン。今後、寺尾天台自治会第4区では住民に名称の公募を予定している。

 「見た目のイメージで多くの方に愛称を考えていただければ」と柳川さんは話している。

デザインした柳川さん

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