生態系に悪影響の恐れ 浦上川に外来種ヨコエビ

 米国原産の外来種「フロリダマミズヨコエビ」が先月、長崎市の浦上川で見つかった。県や国立環境研究所によると、県内の離島以外で見つかったのは初めて。専門家は「生態系に悪影響を与える恐れがある」と警鐘を鳴らしている。
 西彼長与町出身で広島大4年の西琴子さん(21)が3月28日、川の生物の生息調査の一環で長崎市松山町付近の浦上川で1匹捕獲した。
 同研究所や静岡県環境衛生科学研究所によると、フロリダマミズヨコエビは体長約4~8ミリ、河川や湖に生息する。1989年に千葉県で見つかって以降、国内で急速に分布を広げた。観賞用の水草と共に捨てられ、野生化した可能性がある。県内ではこれまで福江島でしか見つかっていない。
 対策や調査に取り組む自治体もあり、滋賀県は琵琶湖だけに生息する別のヨコエビに悪影響を及ぼす恐れがあるとして野外に放すことを禁止している。
 エビなど小型甲殻類の分類や生態に詳しい広島大の富川光准教授は、このエビの強い繁殖力から「長崎県のほかの場所にかなり広がっているのではないか。まずは市民に知ってもらい分布状況を調べるべきだ。県などが中心になって対策を考える必要がある」と指摘している。

長崎市内で発見されたフロリダマミズヨコエビ(富川准教授提供)

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