写真の活用に意欲 長崎平和推進協会 写真資料調査部会 名誉部会長 深堀さん 「現部会長を支えたい」

 長崎原爆に関する写真の収集・検証に取り組む長崎平和推進協会写真資料調査部会の部会長を先月末に退任した深堀好敏さん(89)が9日、長崎市役所に田上富久市長を訪ね、「戦後73年がたち新しい原爆写真が出なくなってきた。写真をどう活用していくかを考えていきたい」と語り、名誉部会長としての今後の活動に意欲を示した。
 深堀さんは16歳の時に爆心地から3・6キロの学徒動員先で被爆し、2歳上の姉を亡くした。1979年、原爆で家族を亡くした有志6人で「長崎の被爆写真調査会」を発足。被爆の惨状を鮮明に伝える写真の収集・検証を始めた。83年に現在の長崎平和推進協会写真資料調査部会に改称。2002年から2代目の部会長を務め、4千枚以上の写真と向き合ってきた。体力の衰えから部会長の退任を申し出ていた。
 市役所には同部会の4人が訪問。深堀さんは、13~15年に米国立公文書館で写真資料調査をした市の事業について「元気なうちに行けてよかった」と振り返った。現在9人の部会に30~80代まで各世代が所属していることを紹介し「どの団体も継承が難しくなっている。ほかの部会員が頼もしくて安心している」と笑顔を見せた。田上市長は「被爆者が少なくなる中、写真が今まで以上に大切になる」と期待を寄せた。
 深堀さんは取材に「今後も部会員として現部会長を支えたい」と話した。

田上市長を訪問し、今後の活動に意欲を示す深堀さん(右)=長崎市役所

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