2世 NPT準備委へ 全国被爆二世団体連絡協 人権保障問題訴え 長崎でシンポ

 全国被爆二世団体連絡協議会(崎山昇会長)などは8日、長崎市内で被爆2世と援護施策に関するシンポジウムを開いた。崎山会長は、今月23日にスイスの国連欧州本部で始まる核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第2回準備委員会に同会が5人を派遣し、被爆2世の人権保障問題を世界に訴える考えを明らかにした。
 被爆2世と援護施策を巡っては、長崎と広島で2世を法的に援護しない国への集団訴訟が昨年起きた。また、同協議会が2世の健康問題の救済措置拡大を国連人権理事会に働き掛けた結果、メキシコとコスタリカが医療保障などを日本に勧告したが、今年3月に日本は拒否している。
 市民ら約70人が参加したシンポジウムでは3人がパネル討論。同協議会の平野伸人特別顧問は、高校時に2世の友人を白血病で亡くした過去を紹介し「被爆者の子は深刻で陰惨な差別を受けてきた」と訴えた。中鋪(なかしき)美香弁護士は集団訴訟の意義について、2世に関する立法不作為の違憲性と放射線の遺伝的影響を挙げた。崎山会長は準備委派遣について「2世の人権保障と核廃絶をセットにして世界に訴える」と述べた。
 準備委には広島と長崎の2世の各2人と、識者1人の計5人を今月29日~来月6日の日程で派遣。準備委を傍聴し、各国政府代表へのロビー活動を展開する。

被爆2世と援護施策に関するシンポジウム=長崎市、長崎原爆資料館

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