防空壕群 保存を 新幹線建設現場 5団体が連絡会 長崎

 九州新幹線長崎ルート建設現場の長崎市天神町で確認された防空壕(ごう)群について、保存を求める長崎の5団体は9日、「銭座防空壕群を保存する連絡会」を発足させた。市民運動を展開し、保存に消極的な長崎市へ働き掛ける。
 5団体は長崎市内でシンポジウムを開いた。壕群付近に住む柴田律子さん(90)は涙ながらに被爆体験を証言。長崎原爆翌日に壕群のうちの1カ所でオランダ人医師においを診断してもらい、その後も壕内で生活した経験を語った。在外被爆者支援連絡会の平野伸人共同代表(71)は外国人捕虜と壕群の関わりから歴史的価値を訴え「市は新幹線工事を急ぎ防空壕を残す意思がない」と批判した。
 シンポジウム後に連絡会の結成集会を開き、世論喚起のため市民運動を展開することを確認した。

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