18年度文部科学大臣表彰、科学技術賞にJFEスチール

 文部科学省は10日、科学技術分野の顕著な功績をたたえる文部科学大臣表彰の2018年度受賞者を発表した。鉄鋼メーカーではJFEスチールが科学技術賞を受賞するほか、多数の鉄鋼関係者が創意工夫功労者賞を受賞する。表彰式は4月17日に東京都千代田区の文部科学省講堂で開かれる。

 JFEは開発部門での受賞。受賞は2年ぶりとなる。

 受賞功績は「CO2(二酸化炭素)排出量削減に適した製鉄原料製造プロセスの開発」。「スーパーシンター」と呼ぶ省エネ型の焼結鉱製造プロセス技術で、同技術開発に携わった佐藤道貴氏(スチール研究所主席研究員)、佐藤秀明氏(JFE環境京浜事業本部管理部長)、渡邉芳典氏(製銑技術部主任部員)、山本哲也氏(スチール研究所製銑研究部主任研究員)、岩見友司氏(製銑技術部主任部員)の5氏が表彰を受ける。

 スーパーシンターは粉コークスなど焼結鉱製造に使う従来燃料の一部を、燃焼効率の高い炭化水素ガス(都市ガス)に置き換えることでCO2排出を減らす。09年に東日本製鉄所京浜地区(川崎市)で実用化し、すでに国内で操業中の全焼結機に導入した。

 金属関連ではこのほか、中小企業を対象とした科学技術賞・技術部門にステンレス表面処理業のアベル(大阪府八尾市)が「ステンレス製光学部品の反射防止処理技術の開発」の功績で選ばれ、居相英機社長ら3氏が表彰を受ける。

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