民進系分裂 「県民裏切る行為」と批判も

 国政の枠組みが不透明な中、県議会の旧民進勢力「かながわ民進党・立憲民主クラブ」は会派を三つに割る決断をした。交渉会派として勢力を維持する2会派が10日、県庁でそれぞれ会見、たもとを分かった経緯や今後の展望を語った。

 「立憲民主党・民権クラブ」として衣替えし、新たに団長に就任した寺崎雄介氏は「それぞれの議員の考え方や立場、(改選まで)残り1年の活動など、全員で真剣に話し合った結果」と説明。元の会派の前団長滝田孝徳氏は「個別に本音で話を聞いてきた。(17人は)立憲民主党を名乗る新たな会派となることに合意している人」と述べた。

 一方、8人で船出する「民進党・かながわフォーラム」の団長に就いた曽我部久美子氏は「分派と称する強制離団には手続きに瑕疵(かし)があり、政治活動の自由を著しく侵害する問題。県政史上に大きな汚点と禍根を残した」と批判。「非民主的な手続きを是とするグループと行動を共にすることは県民を裏切る行為」と旗揚げの理由を語った。

 ただ、立民・民権クには民進党県連にとどまる議員も混在しており、「8人に対して悪い思いはない」と寺崎氏。曽我部氏も「いかに県政発展のためになるかを重視し、政策を進めていきたい」と双方の連携に含みを持たせた。

© 株式会社神奈川新聞社