10日(火)に行われたUEFAチャンピオンズリーグの準々決勝。
ローマはバルセロナに3-0と勝利し、大逆転でベスト4進出を決めた。
アウェイでの1stレグを1-4で落としていたローマ。逆転で勝ち上がるためには3点が必要であったが、バルセロナを相手にも勇敢に戦い、3点差をひっくり返すサプライズを起こした。
そんなCLのノックアウトラウンドにおいて、3点差を跳ねのけて勝ち上がりに成功したのは今回が3例目。
残り2例は2003-04シーズンのデポルティーボ、2016-17シーズンのバルセロナとサッカーファンにはお馴染みの逆転劇となっているが、それらにはある共通点があった。
まずは試合の内訳を見てみよう。
2003-04シーズン
・ミラン 4-5 デポルティーボ
1stレグ:ミラン 4-1 デポルティーボ
2ndレグ:デポルティーボ 4-0 ミラン
→逆転のためには2ndレグで最低3点が必要だった
2016-17シーズン
・PSG 5-6 バルセロナ
1stレグ:PSG 4-0 バルセロナ
2ndレグ:バルセロナ 6-1 PSG
→逆転のためには2ndレグで最低4点が必要だった
2017-18シーズン
・ローマ 4-4 バルセロナ(アウェイゴール差でローマが勝ち抜け)
1stレグ:バルセロナ 4-1 ローマ
2ndレグ:ローマ 3-0 バルセロナ
→逆転のためには2ndレグで最低3点が必要だった
いずれも逆転には3、4点が必要であるという絶望的な状況であったが、これらのチームはそこから奇跡的なカムバックを果たした。
では、これら3例に共通することとは何なのだろうか?
・2ndレグで「10分以内」に先制ゴールを奪う
・2ndレグの開催地が「ホーム」
3点差をひっくり返したこれらのチームは、2ndレグで必ずキックオフから10分以内に先制点を奪っている。
・デポルティーボ:ワルテル・パンディアーニ(5分)
・バルセロナ:ルイス・スアレス(3分)
・ローマ:エディン・ジェコ(6分)
無理して攻める必要のないチームを相手に3ゴールを奪うのは、文字通り至難の業だ。試合前にいくらモチベーションを高めても、プレーしている中でいずれ現実の厳しさに直面する。
しかし、キックオフから早々にゴールを奪うことでチームには活気が生まれ、そして相手にも気持ちの面で綻びが生まれる。
先制点は早ければ早いに越したことはないが、キックオフから5分前後という両チームがまだソワソワした段階でゴールを奪うことこそが、逆転の可能性を何倍にも高めるはずだ。
よく「立ち上がりが大切」と聞くが、ことさら3点差以上の逆転を目指すケースにおいては10分までの戦い方が全てと言っても過言ではないだろう。
そして、ここで関係してくるのが「ホーム」という条件だ。
キックオフ直後の先制点、ただそれだけで自チームを活性化させ敵チームにプレッシャーをかけるが、ホームサポーターの熱気がそれらを何倍にも増幅させる。今日の試合でも、スタジアムからは「行けるぞ!」という雰囲気が感じられた。
3点差での逆転が必要になる場合、10分以内でゴールを奪うことが何よりも重要であり、仮にそれがホームゲームであったら逆転の可能性はさらに大きくなると言えそうだ。