DTM:参戦3メーカー、2018年仕様のカラーリングを公開。公式テストも開始

 3月にフルラインナップを発表していたBMWモータースポーツに続き、DTMドイツ・ツーリングカー選手権に参戦するアウディ、メルセデス・ベンツもホッケンハイムでの合同テスト開催に先立ち、2018年の体制とマシンカラーリングを公開。参戦“ラストイヤー”となるメルセデスも、新たな空力規定に適合した上で新デザインにとなった『C63 DTM』を公開した。

 今季から空力規定に新たな制限を設け、約30%のダウンフォース削減に踏み切ったDTMは、そのシーズン開幕を控えてすでに3月には2018年モデルを公開していたBMWに続き、今季限りで撤退を決めているメルセデス・ベンツが最後のワークスマシンとなる『メルセデスAMG C63 DTM』を披露。

 最大の特徴はそのフロントグリルで、これまでの水平に伸びた2本のルーバーから一転、AMG GTに採用されている“パナメリカーナ・グリル”を思わせる縦格子を基調としたデザインとし、合わせてボディもデザインラインから下部を筆頭にクリーンなイメージでまとめられた。

 一方、引退を決めたマティアス・エクストロームに変わり、今季から契約ドライバーのロビン・フラインスを昇格させるアウディスポーツも、同じく6台の2018年仕様『アウディRS5 DTM』を公開。

 アプト・スポーツライン、チーム・フェニックス、そしてチーム・ロズベルグの各2台体制も不変で、日本でもおなじみロイック・デュバル車は今季からカーナンバーを28に変更。その理由についてデュバルは「この28番は僕がフランスで生まれた県(地方行政区画/ウール・エ・ロワール)のナンバーで、僕の人生の大半をともに過ごした思い入れのある番号なんだ」と説明した。

 また、2017年はマニュファクチャラーズと同時に、ドライバーズタイトルも獲得したレネ・ラストは、引き続き彼のパーソナルナンバーである33を掲げて今季も戦うことを決めている。

 アウディスポーツのDTMプロジェクト代表を務めるディーター・ガスは、この2018年仕様マシンの公開に際し「我々の長年のパートナーとともに、タイトル防衛のシーズンに挑めることを誇りに思う」と語った。

「引き続き2018年も多くの勝利とタイトルを勝ち獲りたいし、願わくばその最高の栄誉であるDTMのドライバーズチャンピオンも、引き続き我々の手中にできればと願っている」

 そのラウンチを経てドイツ・ホッケンハイムで始まった4日間のテストではBMWモータースポーツ、BMW M4 DTMのマルコ・ウィットマンが初日トップタイム。131ラップを走破して1分32秒378というタイムをマークした。

 これは昨年の同トラックのポールポジションから遅れること2秒と、新規空力規制の効果を推し量るのに最適な材料となった。

 続く2日目にはメルセデスAMGのゲイリー・パフェットが1分32秒942で、BMWに代わってトップタイムを記録。同じく今季メルセデスをドライブするダニエル・ジュンカデラは、直前のバイクトレーニングで肋骨を負傷したにもかかわらず、レースシミュレーションを敢行して104周を走破するなど、順調にプログラムを消化している。

 そして3日目には、アウグスト・ファーフスを筆頭にブルーノ・シュペングラー、ウィットマンのBMW勢がトップ3をを独占。翌日最終日を担当するアウディのフラインス、デュバル、ニコ・ミューラーがどこまで巻き返せるかに注目が集まっている。

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