100歳翁が語る郷土史 上鶴間公民館で特別講演 相模原市南区

講師を務める100歳の阿部種雄さん

 毎週土曜日に上鶴間公民館で開催されている「サロンよってこ」で、4月14日(土)に特別イベント「百歳翁が語る郷土の100年物語」が行われる。講師は上鶴間で生まれ育った100歳の阿部種雄さん。地域の歴史や文化、インフラ整備による街の発展などが、実際に見続けてきた人の目線で語られる貴重な機会となる。

 「サロンよってこ」は地域に住む初対面の人と会話し、交流を創出しようと2016年に市民主導で開設された。参加費100円で飲み物と菓子が提供され、来場者は自由に会話を楽しんだり、体操や折り紙などのイベントに参加したりできる。

 もともとは、このサロンの参加者だった阿部さん。サロンスタッフが阿部さんと会話するうちに、地域の知らない話題が数多く出てきたという。年齢を聞いて驚いたスタッフが「街の変遷を見続けてきた人の話は貴重なもの。ぜひ地域の皆さんに伝えてもらいたい」と講演企画を阿部さんに打診。快諾を得て実現した。

 1917年に上鶴間で生まれた阿部さんは一世紀にわたり、1度も土地を離れることなく過ごしてきた。大野小学校の分教場と本校で学んだ後、1932年に小田急電鉄に就職。軍都として発展した昭和の相模原の姿や、小田急線の通信学校前駅(現相模大野駅)などが誕生するのを目の当たりにした。また、インフラ整備が進む前の相模原を知る人物でもあり、「水道が整備される前は、井戸を掘らなきゃ所帯が持てなかったからね」と当時を振り返る。

 講演では、東京のベッドタウンとして急激な人口増が続いた戦後の様子や、水道などインフラ整備に携わった経験、小田急線開通後の街の変遷などが語られる予定。阿部さんは「自分が住んでいる地域の歴史を知り、愛着を持ってもらう機会になれば嬉しい」と話している。

 時間は午前10時から11時30分。講演のほか、質問コーナーも設けられる。参加費はコーヒー、クッキー付きで100円。申込みは不要。問合せはよってこ連絡先【電話】042・733・6163へ。

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