被災地の女性たちが手編み “海の幸”のエコタワシ 東日本復興への願い込め 「うないさん」も用意 諫早で22日販売

 タコ、イカ、サンマ、ホタテ、ウニ-。愛らしい色合いの海の幸は、東日本大震災で被災した女性たちが紡いだエコタワシ「編んだもんだら」。22日、長崎県諫早市で開かれる復興支援フェア(諫早グルメフェスティバル内)で長崎県初登場する。ウナギをイメージした同市の人気ゆるキャラ「うないさん」のタワシも特別に用意。海への苦い思いも包み込んで生きる“お母さん”たちの古里の記憶が一針一針に込められている。
 「編んだもんだら」は大震災から半年後の2011年9月、宮城県で始まった復興支援プロジェクト。支援活動に携わっていた仙台市の足立千佳子さん(52)が、仮設住宅に暮らす女性たちの生きがいづくりを目指してスタート。
 アクリル100%の毛糸とかぎ針を使い、これまで気仙沼市や南三陸町の約35人が参加。モチーフの海の幸の種類は、女性たちの発案で12種類まで増えた。細かな繊維と大きな編み目が特徴で、台所や浴室の水あか落とし、パソコンのキーボードや靴などの汚れを洗剤を使わずに取り除くことができる。
 1個500円で販売したうち、4割が女性たちの収入となり、生活再建に役立てられている。今回のイベントでは通常商品100個のほか、「うないさん」も100個(1個600円)販売。足立さんは「津波と共生しながら生きてきた東北の人たちの知恵が込められたエコタワシ。大水害を経験した諫早の人たちと思いを共有できたらうれしい」と話している。
 復興支援フェアは諫早市職員有志が企画。同市が職員を派遣した福島県新地町の菓子や熊本県宇土市のネーブルのほか、岩手県大槌町の海産物、宮城県塩釜市の伊達茶が出品される。
 ◎関連イベント
 ▽足立さんの「『編んだもんだら』に学ぶ女性のやる気引き出しセミナー」 21日午後3時、市立諫早図書館(東小路町)。無料。市男女共同参画推進センター(電0957・24・1580)。
 ▽「編んだもんだら」のロゴデザイナー、佐々木薫さんの「売れる売り場づくり講座」 21日午後7時半、同センター(高城町)。定員20人、受講料2000円。申し込みは諫早もりあげガールズ(電0957・22・8325、諫早観光物産コンベンション協会内)。

タワシの方言「もんだら」に由来する「編んだもんだら」。キュートな表情のエコタワシ(足立さん提供)

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