3月31日、地域リーグまで追いかけているサッカーファンにとっては、驚きと言える発表があった。
昨年は全国社会人リーグ選手権、全国地域チャンピオンズリーグにも出場したアミティエ京都が、「おこしやす京都AC」に名称を変更することが決まったのだ。改名されるクラブはあるが、これほど開幕直前に行われることはない。
タイミングがタイミングだっただけに「エイプリルフールなのでは?」とも疑われた。しかし、問い合わせに対する答えは「本当です」。
すでに全国で知られるクラブでありながら、なぜその名前を変更するに至ったのか?
そして、なぜ関西リーグ開幕2週間前というタイミングで公式発表を行うことになったのか?
さらに、どうして「おこしやす」なのか…。
それを直撃するため、4月8日に京都府民総合交流プラザ「京都テルサ」で行われた「2018年度キックオフミーティング」に直撃してきたぞ!
緊張感が…
会場は若干広めの会議室。到着した時にはすでに多くのサポーターが席についており、このクラブ名変更に対する期待と不安を覗かせていた。
開幕戦は来週末…ユニフォームはどうなるのか?体制は?グッズは?応援は?
「聞きたいこと」が各々の頭に浮かび続ける中、キックオフミーティングはショートコントで始まった…なんでやねん!
これで場が和んだ後は2017年を振り返るビデオが流され、松本社長と石田監督、そして内田練平キャプテンの挨拶が行われた。
続いて始まった新加入選手の紹介では、もちろんあの斎藤大介選手も。ちなみに背番号7に決まったのは「営業の圧力」とのこと(高校時代の番号だそう)。
京都パープルサンガ、ベガルタ仙台、徳島ヴォルティス、栃木SCでプレーした37歳の大ベテランは「経験を伝え、一丸となってJFL昇格を目指す」と意欲を語っていた。
その後質問コーナーがあり、そして貴重なグッズが当たる抽選会が行われ、一旦会はお開きに。
そう、ただ今回主に聞きたいのはチームのこと。取材の本番は、この後のサポーターズミーティングだ。合間の時間を利用して、サポーターの声を窺ったところ…。
・最初は反対の声が多かった。言いにくいという意見もある
・突然変わったので全く実感が沸かず、まだ(旧名の)アミティエが抜けない
・開幕直前にユニフォームやエンブレム、チームカラーまで変わる。チャントや横断幕などで大きな負担があるのでは
など、全面的に納得できているという雰囲気ではなかった。ついに、その疑問がぶつけられるサポーターズミーティングへ…。
ここからが本番!なぜクラブ名変更に至ったのか?
ミーティングでは松本尚也社長らが出席し、サポーターからの質問に答えていった。ここからは主な回答を箇条書きで簡潔にご紹介しよう。
なぜ『アミティエ』を変えなければならなかったのか? 「プレスリリースでも書きましたが、Jリーグの規約が最も大きな理由です。アミティエという言葉が商標権などの関係で障害となる可能性がありました。
また、アミティエ・スポーツクラブ(※)がスクールを展開していることも理由の1つです。他のチームのホームタウンにも進出しているため、それもリスクになります。
スクールの方を変えるとなると非常に大変であり、消去法で考えればこの方法しかありませんでした」
(※兵庫、大阪、京都、滋賀や海外など様々な地域で事業を行っている)
それは以前から気づいていた? 「関西1部に上がった頃から気づき始めていました。そこから何を変えればいいのかを勉強していきました」
なぜ『おこしやす』に? 「発表でお伝えしたこと以外にも、日本にあまりひらがなのクラブがないということもあります。もしJリーグに昇格すれば初めてのケースになります。
アルファベットが『OCOCIAS』になったのは、特に意味があるわけではありませんが、会社名になるのでドメインのことを考えました」
エンブレムの意匠は?ベイマックスという評価があるが。 「京都の『京』、そしてサッカーボールにも見えるというデザインになっております」
クラブ名変更を発表するタイミングが遅すぎないか。応援歌や横断幕など、サポーター活動に大きな影響があるが。 「その点については申し訳ないと思っております。
関西サッカーリーグにおける2018年の登録は3月1日からとなっており、それ以前に発表することは不可能でした。
もちろんクラブ名変更は来年からでも可能でしたが、この後のことを考えるとなるべく早く行わなければいけませんでした。
しかし、サポーターに対しての配慮は少し足りなかったかなと反省しております」
チームカラーは?ユニフォームは発表されなかったがどうなる? 「関西サッカーリーグの公式サイトでも出ていますが、紫に変わります。そしてアウェイユニフォームに緑が残ります。
ユニフォームについては開幕戦でお披露目されることになります」
周囲の反応は? 「反応は様々です。知名度は上がったので、営業活動は他の地域にも広がっていくと思います。
ただ、京都を見ていないわけではなく、もちろん地元に応援してもらえるクラブを目指しています」
知名度が上がったタイミングで、営業面でのターゲッティングや具体的なグッズ展開などは? 「現在のところはそこまで考えられておりません。
ただ、試合に来てもらって知ってもらうことで活動を進めていきたいと思っています」
クラブ側の回答は便宜上敬語とさせていただいたが、スクールを通じてサポーターとの距離が近いこともあり、終始和やかな状況で質疑応答が行われた。
正直に言えば、筆者は「この名称変更で注目を集め、立て続けにプロジェクトを進めていく」というプランがあるのかと思っていたので、若干肩透かしでもあった。
ただ、まだ地域リーグのクラブであることを考えればやむを得まい。人的リソースも予算も足りないはずだ。
チームカラーが紫に変わったことで、京都に存在する京都サンガF.C.、バニーズ京都SC、おこしやす京都ACの3クラブが同系色となった。また、関西2部にはJを目指していないとはいえ京都紫光クラブも所属する。
これは世界でもなかなか見られないこと。いやむしろ、世界でこそ見られないかもしれない。クラブ同士で協力しあってともに上を目指して行ってほしいところだ。
おこしやす京都のデビュー戦は、4月14日の 関西サッカーリーグ第1週、A.S Laranja Kyotoとの試合だ。会場は五色台運動公園 『アスパ五色』(兵庫県)。キックオフ予定は11:30だ。関西のサッカーファンは注目せよ!
そして最後にプレゼント企画だ!
最後までお読みくださいましてありがとうございます。
実は筆者、2ページ目でちょっと触れた抽選会で一番先に当選してしまいました。何という幸運…。
そのユニフォームに、石田監督や選手にサインまで頂いたものを、1名様にプレゼントします!これは超絶貴重だ!
◇応募方法
ご応募はQoly公式Twitter(@Qoly_Live)をフォローの上、この記事のツイートをRTするだけ!
※応募の締め切りは2018年4月20日(金)23:59です。
※当選者には弊社SNSアカウントによりご連絡致します。
※弊社からのご連絡後、72時間以内にご返答を頂けない場合は当選は無効とします。
※当選確認のお問い合わせにはお答えできません。
筆者名:籠信明
福井県と京都府を本拠地として活動。フランス、ポルトガル、アジア、アフリカなどのサッカーが得意分野で、海外ではPSGとヴィトーリア・ギマランエスのファン。「なぜか喋れるライター」として最近バニーズ京都SCのスタジアムDJ、日本代表パブリックビューイングのゲストコメンテーターなども務めている。『ハリルホジッチ思考―成功をもたらす指揮官の流儀』共著。
Twitter: @cage_nob