アペラム、独の高合金大手を買収 580億円、製品開発力強化

 アルセロール・ミッタル系のステンレス・電磁鋼板・高合金メーカー、アペラムは欧州時間11日、世界トップ級の高合金メーカーである独VDMメタルズを買収することでファルコン・メタルズ、リンゼイ・ゴールドバーグと合意したと発表した。2018年下期をめどにアペラムがVDMメタルズの全株式を4億3800万ユーロ(約580億円)で取得する予定。

 アペラムの高合金事業部門とVDMメタルズの単純合算は売上高15億5千万ユーロ(約1340億円)、EBITDA1億2200万ユーロ(約160億円)で20カ国に従業員3千人を擁する。20年までの統合効果はコスト競争力、製品開発力強化などにより2千万ユーロを見込む。

 アペラムはステンレス世界大手で17年12月期連結売上高は50億5100万米ドル。ニッケル合金などの高合金事業部門(アロイ&スペシャリティ)の主力工場は仏アンフィーなど。

 独VDMは1930年の設立でVDMは「合同ドイツ金属」の略称。ヘックマン(1819年設立)、カールベアルク(1859年設立)、セルベ(1861年設立)の3社統合で誕生した。1988年にクルップ(後にティッセンクルップ)、2013年にオウトクンプ、14年に再びティッセンクルップの傘下となり、15年7月末から米投資会社、リンゼイ・ゴールドバーグの傘下にある。ドイツの拠点は西部に集中している。

© 株式会社鉄鋼新聞社