食用八重桜、例年より早い摘み取り 秦野市

摘み取りを手伝う店主ら

 食用の八重桜で全国シェア7割以上の出荷量を誇る秦野市。市内堀西の飯田さんの畑の桜25本も収穫のピークを迎えた。今年は例年よりも約1週間早いという。

 1日当たり50kg前後の摘み取りを行う。「開き切った花びらより、ハリのある6分咲きの方が良い」と話すのは長男の飯田隆盛さん(41)。摘み取った花びらは加工業者に引き取られ、桜漬け等に加工される。

 近年、摘み手の高齢化や人手不足が問題となっている。そんな状況の中、地元の洋菓子店や飲食店ほか店主らが桜の摘み取りを手伝っている。9日午前中、飯田さんの畑にはラーメン大久保、洋菓子店パティスリークラベリーナの店主が作業を行っていた。「伝統が消えてはいけない。力になりたい」と2人は話す。

 また、摘み手のいない八重桜を何とかしようと、市内・黒木欠畑(がけばた)の神輿会「須佐王会」(桐生徹代表)は今年から収穫に乗り出した。会が摘み取りを行い出荷し、収入は地主と会の運営費に回すシステムを確立させた。今年は3カ所で実施される。同会の会員でもある飯田さんは「様々なやり方で伝統を残していきたい」と話す。

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