麻生区公示地価 商業地 堅調に上昇 住宅地は鈍化傾向続く 川崎市麻生区

 全国の住宅地と商業地の公示地価(今年1月1日時点)が、国土交通省から先月公表された。麻生区では計40地点で地価が調査され、新百合ヶ丘駅周辺の商業地では引き続き高い上昇率が示され、住宅地では上昇幅の鈍化が目立つ結果となった。

 県内で調査された1787地点のうち、麻生区では商業地5地点、住宅地35地点の価格が公表された。

 区内商業地の最高値は新百合ヶ丘駅(南口)前の「上麻生1丁目5番3」が1平方メートルあたり111万円で、前年104万円からの変動率が6・7%という高い上昇率を見せた。他でも昨年からの変動率は上昇しており、全5地点の平均価格52万9千円/平方メートルは、昨年から4・3%の上昇となった。

 一方、住宅地では「百合丘2丁目11番3」の37万1千円/平方メートルが最高値で、前年から2・5%の上昇。全35地点の平均価格は20万4700円で、昨年からの変動率は0・2%。昨年価格からマイナスとなった8地点、伸び率1%未満が21地点と、横ばいの傾向が強い。丘陵地を開発し、敷地規模の大きい住宅地が麻生区には多く、そのことが上昇幅の縮小に影響しているとの見方もある。

小田急新ダイヤに期待

 こうした現況について、区内の不動産店東急リバブル(株)新百合ヶ丘センターの金澤健男センター長は「都心へのアクセスを求めた需要が武蔵小杉周辺から南武線沿線まで伸びている。麻生区は横ばいの印象だが、最近は小田急線新ダイヤの影響か、市外から新百合ヶ丘近辺で土地を探したいという問い合わせも来ている。利便性向上に注目が集まれば、改めて麻生区の評価が高まることもあるのでは」と話した。

 川崎市内全7区の平均価格と前年からの変動率は商業地(56地点)が68万1900円(3・9%)、住宅地(185地点)で26万1500円(1・4%)となった。

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