間違われがち!「オフサイドライン」の正しい定義を、酒井の得点シーンから学ぶ

12日(木)に行われたUEFAヨーロッパリーグ準々決勝の2ndレグ。

マルセイユはホームでRBライプツィヒと対戦し、5-2で勝利した。

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そんなこの試合で勝ちぬ抜けを決定付ける5点目をマークしたのは酒井宏樹!

1点を求めて前がかりになっていた相手にカウンターを仕掛け、マクシム・ロペスのパスに抜け出した酒井が冷静にロングシュートを決めた。

※05:20から

そんなこのシーンだが、実はオフサイドだったのではないかという疑惑が出ている。

もちろんこの静止画からでは正確なオフサイドラインが分からないため、その真偽を確かめることはここではしない。

それでも、このシーンはサッカーファンが勘違いしがちなルールについて教えてくれる良い教材であるのだ。

一般的にオフサイドとは、ボールが味方競技者によってプレーされた際、他の味方選手がオフサイドラインより相手競技者のゴールラインに近い位置にいた場合に罰せられる(細かい状況については割愛する)。

そのため、オフサイドラインについて「GKの一つ前のポジションにいるDF」や「一番後ろのDF」と認識する人もいるが、実はこれは誤りである。

「サッカー競技規則」では、「後方から2人目の相手競技者」によって引かれる線がオフサイドラインと定義されている(「オフサイドライン」という言葉は出てこないが)。

以下、オフサイドポジションに関する説明を抜粋する。

1. オフサイドポジション

オフサイドポジションにいることは、反則ではない。
競技者は、次の場合オフサイドポジションにいることになる:

• 頭、胴体、または足の一部でも、相手競技者のハーフ内にある(ハーフウェーライン
を除く)、そして、
• 競技者の頭、胴体、または足の一部でも、ボールおよび後方から2人目の相手競技者
より相手競技者のゴールラインに近い場合

ゴールキーパーを含むすべての競技者の手および腕は含まれない。
競技者は、次と同じレベルにいる場合はオフサイドポジションにいないことになる:

• 後方から2人目の相手競技者、または、
• 最後方にいる2人の相手競技者

サッカーではほとんどの場合でGKが最後方にいるため「オフサイドライン=一番後ろのDFによって引かれる線」と認識されているのだが、実はGKがオーバーラップした際には必ずしもそうはならない。

つまり、今回のシーンではセンターサークル内にいるジャン=ケヴィン・オーギュスタンがマルセイユ側から見た「後方から2人目の相手競技者」であり、そこからゴールラインと平行に引いた線がオフサイドラインとなる。

そのため、仮にマクシム・ロペスからボールが出た際、酒井がオーギュスタンより前の位置にいれば酒井はオフサイドとなり、後ろの位置にいればオフサイドにはならなかったということになる。

ちなみにオフサイドについてもう一つ付け加えておくと、オフサイドが発生するのは必ず「相手競技者のハーフ内」である。

つまり、仮に今回のプレーが全てマルセイユ陣内で起こっていた場合は、もし酒井がオーギュスタンより前にいたとしてもオフサイドになることはない。

画像提供:国内・海外のサッカーを楽しめる!「スカパー!サッカーオンデマンド」

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