創薬研究で産官学連携 藤沢に湘南アイパーク誕生

 武田薬品工業と県は13日、「湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)」(藤沢市)のオープニングセレモニーを行った。2011年に設立された同社湘南研究所を開放。最先端設備がそろう広大な施設で産官学のパートナーが連携、世界トップレベルの創薬研究の実現を目指す「ヘルスイノベーションエコシステム」を醸成する。湘南の地から、世界をリードする最先端の研究が生まれるか、注目が集まる。 

武田薬品の研究所開放

 同システムは、学術機関や医療機関、研究施設、ベンチャー企業およびスタートアップなどが1カ所に集まり、互いに連携しながらアイデアの創出・実現化を加速させ、ヘルスケア分野での継続的な技術革新を創出する生態系のような仕組み。米ボストンではハーバード大学やマサチューセッツ工科大学などを中心に同システムが形成されているという。

 同パークには19の企業や研究所が入居。武田の創薬研究部門の一部を承継した「アクセリード ドラッグディスカバリーパートナーズ」や武田と京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の共同研究プログラム「T-CiRA」などがすでに稼働。さらに武田の「アントレプレナーシップベンチャープログラム」によって設立されたバイオベンチャー企業など、続々とパートナーが加わりつつある。同パークでは20年までに3千人規模の研究者が集まる場となることを目指す。

 武田のクリストフ・ウェバー代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)は「ここはオープンマインドな拠点。ヘルスケアに携わるさまざまな企業に参画してほしい」と意気込みを述べた。同パークの藤本利夫ジェネラルマネジャーは「醸成」「協力」「加速」「発展」の柱の下に活動を展開したいと構想を語り、「神奈川や日本のライフサイエンスの活性化につながるようなイノベーションの波を起こしていきたい」と話した。

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