旬の野菜で元気に 三浦から南三陸町へ670箱無料提供

 東日本大震災の被災地支援のため、三浦半島の農家約670軒が13日、春キャベツやダイコンなどの野菜をそれぞれ1箱ずつ用意し、約670箱を宮城県南三陸町に発送した。14日には野菜を満載したトラックが現地に到着する予定で、住民に無料配布される。旬の野菜とともに復興を願う三浦半島の農家の思いも届ける。

 三浦市農協とJAよこすか葉山は震災後、それぞれ被災地に野菜を提供するなどの活動を展開。2014年からは合同で、三浦市と古くから港町としての絆で結ばれている同町の支援に取り組んできた。

 これまでは震災があった3月11日に合わせて野菜を届けてきたが、今年は天候の影響で春キャベツの生育が遅れていたことから、届ける時期を遅らせた。

 13日には市内の集出荷場3カ所で、箱詰めされた野菜が次々とトラックに積み込まれた。両農協の役員らが14日に現地を訪れ、副町長らと面会し、2カ所で配る予定という。

 同町によると、町の新庁舎が昨年9月にオープンするなど復興が進む一方、3月末時点で町外も含めて70世帯213人が仮設住宅に暮らしている。震災直前は約1万7千人だった人口は、約1万3千人(3月末時点)にとどまっているという。

 同町を訪れるのは今回で3度目という三浦市農協の大井忠雄常務理事は「まだ復興の途中と感じる。旬の野菜を食べて少しでも元気になってほしい。できる限り支援を続けていきたい」と話している。

トラックに積み込まれる春キャベツやダイコン=三浦市内

© 株式会社神奈川新聞社