温泉の無料利用券、介護職員への配布拡充 箱根町

 介護人材を確保する取り組みの一つとして、箱根町は、町内で働く介護職員に温泉施設の無料利用券を配布している。仕事の疲れを温泉で癒やしてもらう箱根ならではの施策だが、2018年度は利用対象者を増やすなど充実を図る。

 町福祉課によると、町内にある民間の日帰り温泉施設の無料利用券(1人につき最大20枚)を配布する事業は、17年度に始まった。利用は職員本人のみとしていたが、18年度からは職員の家族にも広げ、4カ所だった温泉施設も8カ所に増やした。

 ほかにも介護職員初任者研修受講料の3分の1を、上限を2万円として補助。18年度当初予算に95万円を計上した。

 同課によると、65歳以上の町民は昨年9月時点で約4200人おり、人口の35・7%を占める。一方、介護事業所は減少しており、08年には町内に19事業所あったが、今年3月までに15事業所になった。

 閉鎖の4事業者はいずれも「従事者がおらず、手が回らなくなった」と説明。開所中の事業所からも「募集しているが集まらない」などの声が聞かれるという。

 同課は「介護職員が増え、働いている人にとっても働きやすい楽しい環境づくりをつくる後押しになれば」と話している。

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