女子サッカー飛躍を 湘南ベルマーレU15部門新設

 サッカーJ1湘南ベルマーレの育成組織やビーチバレーなどのチームを運営しているNPO法人「湘南ベルマーレスポーツクラブ」に2018年度、中学生年代となる15歳以下(U15)の女子を対象としたチームが誕生した。技術向上だけでなく、近隣に同年代の女子限定のクラブチームが少ないことから、その受け皿としても期待されている。

 新設されたのは「湘南ベルマーレU15ガールズ」。11日には本拠地となる茅ケ崎市の柳島スポーツ公園で初の公式練習を公開した。

 県内各地から集まった1期生は25人。真新しいユニホームに身を包み、真剣なまなざしでトレーニングに向き合う。唯一の中学3年生、主将の石渡くるみさん(14)は「ベルマーレでサッカーがやりたいと思っていた。ここで技術を磨きたい」と力を込めた。

 小学校までは男女一緒にプレーできる環境があるが、体力、体格差が出始める中学生年代で男女が共に練習することは難しいとされる。ただ中学生年代の女子チームでプレーしたい希望があっても、ベルマーレによると、同年代の女子を対象にしたクラブは県内に20ほどしかないという。

 県内のJリーグクラブでも、女子の育成組織を持つのはJ2の横浜FCだけ。湘南・西湘地域の選手は通うにも時間がかかり、ベルマーレ側にも設置を望む声が多く寄せられていた。

 クラブ創設50周年を迎えたのを機に、運営主体を同法人としてU15の女子チーム新設を決定。昨年10月から選考を含めた練習会を6回開き、湘南・西湘地域だけでなく、川崎や横浜などからも多くの選手が参加した。中には県選抜チームに選ばれているホープの姿もあったという。

 新チームは県女子リーグの3部に参入。1年目の目標として、リーグ制覇と県中学生大会での4強進出を掲げる。コーチ2人が専従し、同公園で週2回の練習に励んでいく。

 育成組織でコーチ歴のある清水郷介監督(37)は「自分自身も新たなチャレンジ。各世代で通用する選手を育てていきたい」と抱負を語り、石渡さんも「ベルマーレの可能性を広げていきたい」と意気込んでいる。

始動した湘南ベルマーレU15ガールズの選手=茅ケ崎市柳島の柳島スポーツ公園

© 株式会社神奈川新聞社