サッカーに壁はない 障害者と楽しむ

 聴覚、知的障害者、健常者がともにサッカーを楽しんで理解を深めるイベント「第17回USFデフリーグ大会」が14、15の両日、川崎市川崎区の富士通スタジアム川崎で開催された=写真。これまでは耳の不自由な選手と健常者が合同チームを結成してきたが、今大会からは知的障害のある人も加わった。キッズサッカー教室なども行われ、約400人が集まった。

 サッカーを通じて交流できる場をつくろうと東日本ろう者サッカー協会が企画。練習場所やコーチの確保など取り巻く環境は厳しい中で、新たな障害者スポーツの形を模索している。

 県内初開催となり、参加者は人工芝のピッチで一つのボールを激しく追った。補聴器を耳に着けた選手らが身ぶり手ぶりで意思を疎通し、シュートが決まると歓声が湧き起こった。

 「障害者サッカーには七つの団体があるが、いろんな人が交ざり合ってもいいんじゃないか。みんなが楽しめる場所になれば」。日本障がい者サッカー連盟の植松隼人理事が狙いを語った。

 23日から韓国で開催される第4回アジア太平洋ろう者サッカー選手権に出場する桐生聖明さん(28)は「これをスタートにしてずっと続けたい。未来も明るいと感じた」と笑顔で話していた。

人工芝のピッチでサッカーを存分に楽しんだ参加者たち=川崎市川崎区の富士通スタジアム川崎

© 株式会社神奈川新聞社