「IDE研究所」設立から10周年

 配管システムの研究や防食鋼管のマーケティング、普及活動を行うIDE研究所の井出浩司代表は今年、研究所設立10周年を迎えた。業界団体や防食鋼管メーカーに勤務した後、08年1月末に独立。IDE研究所を立ち上げて、防食鋼管のPRやマーケティング活動に東奔西走してきた。「現在の活動を継続しつつ、今後は新たな枠組みやテーマによるセミナー開催も検討していきたい」と、今後の活動についてもますます意欲を見せる。

防食鋼管のPRやマーケティングに東奔西走

 この10年間、井出代表は鋼管、加工管、継手、機械工具(転造ねじ・フレア加工)の各メーカーとコラボしながら、ポリエチレン粉体ライニング鋼管・塩ビライニング鋼管などの防食鋼管やSGP・STPGといった配管用炭素鋼鋼管の販促PRとマーケティング活動を行ってきた。

 国土交通省や防衛省、文部科学省など中央省庁のほか、地方の政令指定都市、国立大学、UR都市再生機構、民間需要家の設計事務所やゼネコン、サブコン、管材商社などを個別訪問。個別需要家に対する配管技術セミナーは延べ約250カ所で開催した。

 鋼管に関する異業種メーカー共催で官公庁や施工業者を集めて技術講演や加工実演を行う「鋼管技術フォーラム」には、立ち上げ時からコーディネート役として参加。11年10月の初開催以降、16年11月までに5年間かけて全国主要都市13カ所で計15回開催した。井出代表は、企画立案や対外折衝、集約活動などを精力的にこなした。

新たな枠組み・テーマのセミナー開催も検討

 今後の研究所の活動について、井出代表は「これまでの業界紙へのパブリシティ活動を継続する一方、新たな形でのセミナーも企画していきたい」としている。

 パブリシティ活動については、研究所の活動状況のほか、配管に関する市場調査結果、各分野の鋼管使用管種の実態、各需要家に対する配管セミナーの開催状況などを発信していく方針。配管技術セミナーは、加工管メーカーなどを共催メンバーに加えて、配管施工の省力化や長寿命化、新技術、最近の管種選定動向など新たなテーマを取り上げていきたい意向。こうした活動を通じて、需要家だけでなく関係業界団体にも業界最新情報を広くPRしていく。

 今年11月には喜寿(77歳)を迎える井出代表。「需要家が求めている情報をいち早くキャッチして広めていくことで、今後も配管技術の発展と業界の反映に尽力していきたい」と、その探究心と向上心は衰えることを知らない。自身の目標は「生涯現役」だ。

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