昭和電線ケーブルシステム、船舶用高性能制振シート発売

 昭和電線ケーブルシステム(本社・川崎市川崎区、社長・田中幹男氏)は船舶用の高性能制振シートを開発し、販売を始めた。振動を吸収する特殊なアスファルト系の材料と鉄板などを組み合わせた製品。居室の壁や床などに施工することで振動による騒音を抑え、室内を静かにできる。騒音は従来の制振材の10分の1レベルに抑えられる。

 新製品の船舶向け高性能シート型制振材「ショウダンプNH―S1」は船体の鋼板を介して伝わるエンジンなどの振動などをカットし、室内の静粛性を高めるもの。現在、船舶では居室など人が生活するスペースの騒音値で規制があり、市場からの要請に応えて開発した。

 船体の鋼板に張り付ける粘着層と制振材、固定用の鉄板の3層構造。シートの材料構成を見直して性能を高めたほか、強固な粘着力で施工が容易。さらに施工対称面にゆがみがあっても、密着させられる特性を有している。また防火区画の床や壁に適応していることも特長。

 一枚で広い範囲を防振でき、取り付けていない場合との比較では、騒音を100分の1レベルに抑制できる。造船会社などへの販売を目指しており、すでに受注実績もある。今後はさらに拡販を目指していく。

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