アジア杯、なでしこジャパンはオーストラリアと対戦しました。今回も元なでしこジャパンの丸山桂里奈さんに語っていただきます！
日本は、このオーストラリア戦に勝てばW杯出場が決まり、引き分けだと、同時刻開催の韓国とベトナムの試合結果の得失点差、総得点の差で決まる。ただ、負けたとしても、3位で第5代表決定戦に進むことはできる。日本としては、もちろん、オーストラアに勝って、トップで決勝トーナメント進出して、アジア杯連覇を果たしたいところだ。
先発は、
ＧＫ 山下
ＤＦ 清水、熊谷、市瀬、鮫島
ＭＦ 中島、宇津木、阪口、長谷川
ＦＷ 岩渕、菅沢
注目は、初登場で当たり負けしないボランチの宇津木。ヘディングの強いFWの菅澤。
オーストラリアは、フィジカルが強く、パワーとスピードがあるので、その対策としての役割を期待される。
緊迫の前半戦
前半１分。オーストラリアは、カーペンターが、得意のロングスローを投げる。ベテランで日本戦に強い、ＦＷデバンナがシュートを打つが外に外れる。
前半６分。日本は、右コーナーキックからクリアでこぼれてきたボールを、長谷川がペナルティエリア付近から、右足を振りぬき、シュートを打つが、上に外れる。
前半14分 オーストラリア。右サイドでディフェンスラインの背後のスペースのロングポールで突破した、ＦＷカーが、ゴールラインから、ゴール前に速いパスを出し、ＦＷデバンナが、ゴール前で、合わせるが、ＤＦ清水がシュートブロックで防ぐ。決定的なチャンスを粘り強く、防いだシーンだ。
オーストラリアは、その右コーナーキックを、ファーサイドでケネディがヘディングであわせようとする。日本は身体をよせられず、ピンチが続く。
試合開始直後は、日本がディフェンスラインを高くして、前線からプレスをかけ、オーストラリアのミスを誘い、サイドの長谷川、中島からチャンスを作る。ボランチの宇津木が狙い通りに、身体をはってボールを奪い、相手に思うようなパスを出させない。
日本が主導権を握っていたが、オーストラリアは、日本の高いデイフェンスラインの裏に、ロングボールを蹴り、昨年アメリカのリーグで得点王になったカー、日本戦に強いベテランでエースのデバンナが、カウンターでゴールを狙う。最強の２トップだ。
日本はプレスをかけて、オーストラリアにロングボールを蹴らせないことがこの試合を通しての大事なポイントだ。
前半19分。オーストラリア、カーペンターのロングスローの流れから、デバンナがシュートを打つも、ミートしないで助かった格好だ。
前半21分。カーペンターが再びロングスロー。デバンナがシュートを打つが、清水がクリアーする。
前半39分。菅澤のポストプレーに、長谷川が反応し、ドリブル突破をはかるが、クリアされる。
前半42分。左サイドでバンエグモンドがＦＫをゴール前に蹴るが、誰も合わず、山下がキャッチ。
前半終了。両者無得点。
日本がプレスをかけて主導権を握るが、オーストラリアが徐々にロングボールとセカンドボールを拾って、一進一退の攻防で終える。
日本は岩渕が下がってボールを受けるのはいいが、トップで菅澤が孤立する場面も多い。ヘディングや収める力のある菅澤のポストプレーも増やしたい展開だった。
うまく機能した後半戦
後半開始。日本、オーストラリアとも選手交代はなし。
後半４分。長谷川が岩渕にロングパスを蹴るが、オフサイド。
後半５分。オーストラリアは、日本の選手と接触した、デバナが負傷し、ラソと交代する。
後半13分。オーストラリア、左サイドで、バンエグモンドがＦＫを蹴るが、誰も合わせられない。
後半16分。岩渕が左ペナルティエリア外からシュートを打つが、ＧＫがキャッチ。
後半18分。岩渕が左サイドでボールを持つと、ディフェンスラインの裏に抜けた、長谷川にスルーパス。長谷川はゴールライン間際で、ニアに走ってきた阪口を見て、グランダーのマイナスのクロス。阪口がゴール前でフリーで左足を振りぬき、左隅に決めた。日本、鮮やかな先制点をあげる。
長谷川の飛び出しと、広い視野からの阪口へのパスは、日テレで毎試合、発揮している数多いパスワークのひとつだ。
後半24分。ゴリーに代えて、サイモン投入する。
後半35分。日本、長谷川が右足を踏まれて負傷。ピッチ外で治療するが、増矢と交代。
後半41分。オーストラリアの攻撃、右サイドから左サイドチェンジして、左サイドからゴール前へのボールを、カーがゴールキーパーと接触しながら、ゴール右サイドに流してゴール。オーストラリア追いつく。
この時点で韓国4-0ベトナムの情報が入り、日本とオーストラリアは、同点とスコアを動かす必要のない状況で、日本がこのままディフンスラインでパスを回す選択に出た。
アディショナルタイムの２分も、そのまま日本がパス回し、同点のまま試合終了。
後半は、日本は前半の教訓を生かし、菅澤が下がってボールを受けて、岩渕とパスをつないだり、守備をしたり、機能することで、チームとしてチャンスメークすることができた。さらに、長谷川が左サイドに固執することなく、絶えず数的優位を保つように、中央、右サイドに機転を利かして、ポジションをとり、日本にリズムを作ることに貢献した。
この結果、なでしこジャパンは見事にワールドカップ出場権獲得と準決勝進出を果たした。決勝で再びオーストラリアに勝って、アジア杯連覇を果たしてほしい。
