諫干即時開門訴訟で漁業者側 農業被害、関連性挙げる 長崎地裁

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門調査を巡り、諫早市小長井町や雲仙市瑞穂、国見両町の漁業者が国に即時開門を求めた訴訟の口頭弁論が16日、長崎地裁(武田瑞佳裁判長)であった。漁業者側は閉め切りと農業被害との関連性を挙げ、即時開門を主張。証人尋問などを申請する考えを示した。これに対し、国は速やかに審理を進めるよう求めた。
 漁業者側は準備書面で、干拓営農者が開門を求め始めたことに触れ、「開門こそが農業被害を改善する手段」と主張。6月26日の次回期日に、現地検証や研究者の証人尋問を申請する考えを示した。
 一方の国側は、開門を命じた2010年の確定判決の不履行に対する制裁金支払いを強制しないよう求めた請求異議訴訟控訴審の和解協議が福岡高裁で続いていることから、和解協議での解決を求める立場を強調。終了後の会見で「和解により、一連の訴訟も解決するのがベストだと思う」とした。

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