古河電工産業電線、船舶用アルミケーブルを共同開発 重量軽減、敷設作業性向上

 古河電工子会社の電線メーカーである古河電工産業電線(本社・東京都荒川区、社長・松本康一郎氏)と日本船舶電装協会(会長・柏原健二山陽船舶電機社長)は船舶の電気配線に用いるアルミ製ケーブルを共同開発した。従来の銅導体のケーブルと比較して3割程度軽いことが特徴。軽量化で配線工事の作業負荷が低減できるほか、船舶の重量を抑えて燃費や荷物の積載量を高められる。現在は需要や課題を見定めて、製品化を見極めている段階。

 開発品はアルミ導体のケーブルを鋼線を編み込んだ素材で外装した製品。40フィートタンカーで使用される銅電線は約120トンだが、アルミ導体の電線にすべて置き換えれば3分の2の約80トンまで軽量化できる。

 開発に際して実際に新造船に敷設し実証試験を実施。試験の結果、電気特性が銅導体のケーブルと同等なほか、電装工事作業者の負担軽減や作業効率の改善に寄与すると考えられるとの結論が得られている。

 同社では、技術力を生かして電線・ケーブルの付加価値を高める商品戦略を展開。軽量なアルミ導体で敷設の作業性を高める製品の創出に積極的に取り組んでおり、これまでに建設用や溶接機用などのケーブルについてもアルミ導体品を開発している。

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