身近な遺跡に触れて 歴史博物館で参加型展示

 横浜の遺跡から発掘された土器などを手がかりに、考古学を知ってもらう「君も今日から考古学者!」展が、横浜市歴史博物館(同市都筑区)で開かれている。専用のワークシートを使い、遺跡に関する問題を解いていく参加型の展示で、1500年前ごろまでの歴史に触れることができる。

 会場では、資料を観察して出題に答えながら進む。遺跡で見つかった土器のかけらと、復元された皿や急須などの形や模様を見比べて、かけらの元の形や作られた時期を考察。貝塚の断面をそのままはがした標本から当時の暮らしを推測するなど、考古学の研究がどんな視点で行われているかを体験できる。

 横浜で発見された遺跡を記した地図も展示。都筑区をはじめ、新興住宅地として大規模な開発があった地域から遺跡が多く見つかっていることなど、見る人の住まいや学校といった身近な場所を起点に遺跡の理解を深めることができる。

 歴史を学び始めた子どもが主な対象だが、観察しながら考えることで大人も楽しめる。同館は「教科書に載っている有名な遺跡だけが歴史というわけではない。横浜にも多くの遺跡があり、その資料から昔の人の暮らしが分かることに目を向けてほしい」と話す。

 7月1日まで。月曜と5月1日休館(4月30日は開館)。300円。「横浜の発掘調査成果速報展」も同時開催している。問い合わせは、同館電話045(912)7777。

貝塚の標本などが並ぶ「君も今日から考古学者!」展 =横浜市歴史博物館

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