マクラーレンF1首脳、他ルノーPUユーザーとの差を認める。「目標をもっと高く設定すべきだった」

 マクラーレンF1のレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエは、チームのMCL33設計方針が保守的であり過ぎた結果、チーム目標には則しているもののパフォーマンスに欠けるマシンができてしまったと考えている。

 今シーズン、マクラーレンはこれまでのところ大敗は喫していない。だが、2018年型マシンのパフォーマンスレベルは、基準となるべき競争相手であるレッドブルやルノーのそれと比べて明らかに劣っている。

 ブーリエの見るところ、マクラーレンのパフォーマンスが相対的に低い水準にある原因の一部は、チームが当初設定した目標が十分に高くなかったことにあるという。

「マシンはチームの目標に合うように完成している。ということは、おそらく目標自体が適正ではなかったのだろう」とブーリエ。

「だから、我々は何を達成すべきか、というチーム目標を修正する必要がある」

「マシンは今も非常にバランスが取れたものだ。ドライバーたちの話を聞くと、バランスについては満足だと言っている」

「どんなセットアップを試しても、マシンはそれに沿った反応をする。マシンの設計という観点では、悪い要素はないと考えている。コーナーを曲がるときとストレートで、もっとスピードが出るようにするだけで良いのだ」

 マクラーレンの経営陣は2018年シーズン開幕前に、レッドブル・レーシングから、ルノー製エンジン搭載チームとしての正確な標準パフォーマンスを示されたことを明らかにした。

 これに関連してブーリエは、現在のマクラーレンがレッドブルから相当の差をつけられているだけでなく、ワークスチームのルノーにも遅れていると認めた。

「我々は、ルノーやレッドブルと同じパワーユニットを搭載している。そのなかで我々が遅れているということについては、事実以外に隠れた原因など存在しないのだ」とブーリエは話す。

「なぜ我々は予選で遅いのか、なぜ決勝ではより良い走りができているのか、なぜルノー製エンジンを搭載している他チームよりも遅いのか、把握する必要がある。それに尽きる」

「バーレーンで持ち上がった疑問点はいくつもある。ただこのプロセスは今も途中の段階だ。我々は疑問点を洗い出さなければならないし、今後もそうすることになるし、現在もまさにそうしつつある」

 ブーリエは、5月にバルセロナで実施される予定のマクラーレンの開発プログラムとアップグレードによって、MCL33がより改善されることを期待している。

「これは難しい作業だ。当然我々は現状に満足などしていない。現在進行中の多くの取り組みを通じて、我々と上位チームとの隔たりをもう少し小さくしたい」

「現状は、皆の予想とは明らかに異っている。だが、ここから進歩してトップ3に追い付くのは簡単なことではない」

© 株式会社三栄