トピー工業、アルミホイール事業強化 ATCHDを完全子会社化、年500万本体制に

 トピー工業(社長・高松信彦氏)は17日、自動車や二輪車向けアルミホイールなどを製造・販売する旭テック(本社・静岡県菊川市、社長・青山英樹氏)の持ち株会社であるATCホールディングス(社長・林竜也氏)を完全子会社化すると発表した。公正取引委員会などの審査を前提条件とし、5月31日付でATCHDの全株式を取得する予定。取得額は約145億円。旭テックは中国やタイで年400万本のアルミホイールを生産。トピー工業は関連会社の九州ホイール工業(福岡県)で年100万本のアルミホイールを生産しており、両社を合わせた供給能力は年500万本に拡大する。トピー工業はスチールホイールで構築したグローバル供給体制を生かし、需要拡大が見込めるアルミホイールでも日系自動車メーカーを中心にグローバルな供給基盤を固める考え。

 旭テックは自動車や二輪車向けアルミホイールのほか、自動車用アルミ重力鋳造部品の製造・販売を手掛ける。アルミホイールに関しては日本で設計・開発を行い、中国とタイにある傘下のグループ会社で生産している。

 ATCHDを完全子会社化することで、トピー工業グループのアルミホイール供給能力は年500万本と従来比で5倍に拡大する。

 トピー工業は現在実行中の中期経営計画「Growth & Change 2018」で自動車部品事業を成長ドライバーと位置付け、グローバルでの事業展開に取り組んでいる。すでにスチールホイールのグローバル供給体制は提携先と共に構築が進んでいるが、アルミホイールでは高付加価値製品に特化した国内生産にとどまり、グローバルな需要拡大に対応できる供給体制の構築が課題となっていた。

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