フライト前に欠かせないブリーフィング
フライト前に、乗務員全員が顔を合わせてミーティングをするのですが、それをブリーフィングと呼んでいます。
会社によって違いがありますが、フライト約2時間前に出社し、タイムカードを押し、ブリーフィングルームに集合します。
今回は、そのブリーフィングでどんなことをしているのかご紹介します。
ブリーフィングルームは注意が必要!?
数10分の差で同じ行先に飛ぶフライトもあるので、ブリーフィングルームを間違えないように、注意が必要です。
ブリーフィングルームの入り口には行先とフライト番号が書かれてあるので、フライト番号の方をしっかり確認することが大切。
行先だけでは、間違えてしまう可能性が高いです。
これは、お客さまの搭乗時にも必要になるので、ブリーフィング前から覚えておくのが良いのです。
搭乗時、お客さまの搭乗券を拝見し、フライトを間違えていないか必ず確認します。
その時にお時間を取らせないよう、フライト番号ならば一瞬で確認できるからです。
また、タイムカードはコンピューターで管理されているのですが、出社してタイムカードを押した時に、フライトが変更になっていることもしばしば。
自分がどこに行くのか、常にしっかり確認することが必要です。
ブリーフィングで毎回必要なこと
筆者が勤めていた会社では、毎回フライトのメンバーが違います。
そのため、まずは自己紹介から始まります。
名前(ニックネーム)、国籍、フライト歴は必須。
面白い自己紹介ができるCAはとても印象に残ります。
機材によって6~20人ほどのCAの名前を毎回覚えなければいけないのが、実はとても難しいです。
その後、ポジションが決まります。
ポジションとは、どのドアを担当するか、ギャレー(飛行機の台所)は誰が担当するか、コックピットは誰が担当するか、などです。
フライト歴や、受けている訓練で変わってきます。
フライト情報の確認
出発時間、行先との時差、フライト時間、空港の名前、お客さまの人数、サービスの内容などを全員で確認します。
ただし、それは事前にCAだけが確認することができる会社のサイトで確認できることなので、責任者によってはクイズ形式でCAに質問してくることも!
特に、海外の空港の名前を覚えるのがとても難しいです。
サービスの内容はフライトの時間(出発時間や到着時間、フライトが何時間なのか、など)で決まります。
夕食、朝食の2サービスなのか、お飲み物、夕食、昼食の3サービスなのか、スナック、昼食の2サービスなのか、など。
ここまでは自分で調べて分かることなので、ブリーフィングでは、再確認の気持ちです。
VIPの人数や座席はブリーフィングで知らされます。
必要があれば、ブリーフィングルームから機内に移動する間に、綿密な打ち合わせも行われます。
ファーストクラスの担当は緊張する瞬間です。
ファーストエイド、セーフティ・セキュリティの確認
CAの一番の業務は保安です。
その日の機材に合わせた、セーフティ・セキュリティの質問が口頭で行われます。
答えられないCAは、家に帰らせられ、別のCAが代わりに呼ばれます。
・機内にある消火器の数や場所
・緊急時のドアの開け方
・海に不時着した場合の対応
・着陸後機外に炎が見えた場合の対応
・機内に煙が見えた場合の対応
など、1年に1度の訓練で習うことの中から、ランダムで質問されるので、瞬時に答えなければなりません。
ファーストエイドも、
・顔を真っ赤にして苦しんでいる人への処置
・顔を真っ青にして苦しんでいる人への処置
・正常な脈拍数
・止血の仕方
・貧血のお客さまへの対応
など、こちらも1年に1度の訓練で習うことの中からランダムで質問され、瞬時に答えることが求められます。
グルーミングチェック
グルーミング=身だしなみ担当の社員が、ブリーフィングルームに来て、CAの身だしなみを隅から隅までチェックします。
爪の長さ、髪のまとめ方、髪の色や長さ、制服のサイズ、お化粧の仕方、靴の汚れ、手や腕に傷やケガが無いか、など。
問題がある場合は、別室に呼ばれて注意されます。
例えば、少し体重オーバーのCAは別室に呼ばれ、体重計の乗せられ「1週間で5キロの減量」を言い渡されたり。
髪の毛が短すぎるCAが、髪の毛が伸びるまで乗務停止になったり。
CAは会社の顔ですから、とても厳しい基準が設けられています。
抜き打ちチェック
アルコールの抜き打ちチェックがあることも!
当然ですが、基準値を超えたCAは乗務できません。
それどころか、クビになります。
フライト前の飲酒は12時間前までと決められていましたが、アルコールに弱いCAは24時間前までと工夫するなどして、気をつけていました。
いかがでしょうか?
CAは、笑顔でお客さまをお迎えする前にこんな準備をしているのですよ。
安心して空の旅をお楽しみくださいね。