他球団も羨む? 竜モヤ&鷹グラシアル大暴れ、ファームでチャンス待つ助っ人

ソフトバンクのジュリスベル・グラシアル【写真:福谷佑介】

ソフトバンクのグラシアルは打率5割、中日のモヤは打率.389

 プロ野球界は各球団が15試合前後を消化し、対戦は一巡した。セ・リーグではDeNAが17年ぶりの8連勝を遂げる一方で、昨季の王者である広島も白星に白星を重ねている。17日にリーグ1番乗りで10勝に到達した広島が首位の座をDeNAから奪い返した。巨人は波に乗れず、リーグ最速で10敗に到達。17日に山口俊が14奪三振完投の好投でDeNAの連勝を止めたが、それでもなお最下位に沈んでいる。

 パ・リーグは西武が開幕8連勝を飾ってスタートダッシュに成功し、首位に立っている。昨季の日本一であるソフトバンクは波に乗れないながらも自力の高さを発揮して2位まで順位を上げてきた。スタートダッシュに失敗したのはオリックス、楽天。ともにすでに10敗超を喫している。

 各球団の浮沈を左右する一因となるのが、助っ人外国人の存在。開幕して2週間半を過ぎた中で、存在感を際立たせている助っ人として真っ先に名前が出るのが中日のソイロ・アルモンテ。守備の拙さはあるものの、ここまでリーグトップの打率.407、15打点をマークして目下、2冠王。本塁打も2位タイの4本塁打を放っている。得点圏打率も.625と驚異的な数字を残しており、早くも“当たり”の声が飛ぶ。

 セ・リーグではヤクルトのブキャナンや阪神のメッセンジャー、中日のガルシアが早くも2勝をマーク。パ・リーグでは日本ハムのマルティネスが、白星にこそ恵まれていないものの、防御率1.96と安定感を見せ、チームメートのトンキンもリリーフで好投。一方、ソフトバンクのサファテは早くもリーグトップの5セーブをマークしたが、股関節の張りにより離脱が決まった。

 そんな中で、ファームで虎視眈々とチャンスをうかがっている外国人選手も。今や、各チーム4枠の外国人枠を超える助っ人を抱えることは珍しくなくなり、支配下で5人ないし6人、多いと7人超が所属することも。枠の影響で2軍暮らしとなっていながら、ここまでファームで目を見張るほどの結果を残している助っ人もいる。

ソフトバンク、中日ともに4人の助っ人はチームに不可欠な存在…

 その筆頭格として挙げられるのが、アルモンテとともに中日に新たに加わったスティーブン・モヤ外野手、そして充実の戦力層を誇るソフトバンクのジュリスベル・グラシアル内野手だ。2人の4月17日終了時点でのウエスタンリーグ成績は以下のようになっている。

○ジュリスベル・グラシアル
7試合22打数11安打2本塁打5打点 .500

○スティーブン・モヤ
15試合54打数21安打3本塁打12打点 .389

 グラシアルはオープン戦中に左脇腹の肉離れで離脱し、しばらくリハビリ組で調整を続けていた。2軍で実戦復帰後は打ちまくっており、なんと打率5割。7試合で2本塁打も放っており、長打力も見せつけている。ソフトバンクは抹消された守護神のサファテをはじめ、デスパイネ、バンデンハーク、モイネロと4人の外国人はともにチームに不可欠な存在ばかりで、ここまではファームでの出場が続いていた。

 一方、中日のモヤもウエスタンリーグで結果を残し続けている。オープン戦では日本の、1軍レベルの投手に苦戦していたものの、ファームでは猛打を爆発させている。15試合で打率.389、3本塁打を放っている。中日もまたアルモンテに加え、ビシエド、ジーと投打の柱がおり、モヤと外国人枠を争うと見られていたガルシアが先発で2戦2勝と予想以上の結果を残しており、現状では1軍昇格の可能性は低そうだ。

広島のバティスタは17日に1軍昇格、即スタメンで結果を残した

 広島はウエスタンリーグで最多6本塁打を放っていたサビエル・バティスタ外野手が17日に1軍に昇格。ヤクルト戦で即スタメン出場すると2打数1安打2四球と早速、結果を残した。このほかには、故障で出遅れていたDeNAのウィーランドや、開幕1軍から漏れた巨人のヤングマンもイースタンリーグで好投している。

○ジョー・ウィーランド
3試合1勝0敗0セーブ 12回8安打3四球15三振3失点 2.25

○テイラー・ヤングマン
4試合1勝2敗0セーブ 25回17安打4四球22三振7失点 2.16

 ロッテは外国人枠を使い切れていないながら、貯金2の3位と奮闘が続いている。打線の軸として期待されていたドミンゲスはイースタンリーグでトップの4本塁打、ペゲーロの3本塁打も放っているが、井口資仁監督はドミンゲスの早期の1軍昇格には否定的な姿勢を示していた。

○マット・ドミンゲス
21試合79打数21安打4本塁打18打点 .266

○フランシスコ・ペゲーロ
17試合60打数17安打3本塁打11打点 .283

 グラシアルやモヤのように結果を残しているファームの助っ人は、外国人が結果を残していない球団にとっては羨ましい限りだろう。異国の地に身を置き、ファームで奮闘する外国人。彼らが1軍で結果を残し、ジャパニーズドリームを掴む時はやってくるだろうか。

(Full-Count編集部)

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