処方箋問合せを効率化 横浜労災病院と区薬剤師会で 横浜市港北区

合意書を手にする梅村病院長(右)と坂本会長

 独立行政法人労働者健康安全機構・横浜労災病院(梅村敏病院長)は、港北区薬剤師会(坂本悟会長)と院外処方箋における疑義照会について、プロトコール(手順書)を定め、照会不要事例の取り決めに合意。9日からこれに基づき運用を開始した。

 処方箋については、薬剤師法第23条で「薬剤師は、処方箋を交付した医師、歯科医師、又は獣医師の同意を得た場合を除くほか、これを変更して調剤してはならない」と定められている。例えば錠剤が苦手な患者のために同じ成分の粉薬で調剤したい場合など患者の利便性を高める問合せの場合にも、調剤前の確認が必要とされ、診療に追われる医師にとって、診療を中断されるなどの負担があった。一方、保険薬局側も医師に確認できるまで、患者を待たせることになっていた。そこで、病院と保険薬局の連携がよりよい薬物治療につながるような協定を締結することでこの課題を解決しようと、昨年、横浜労災病院側が区薬剤師会側に協定を打診。その後、昨年11月から双方合計10人が参加するワーキンググループを結成し、プロトコールの作成・運用について計7回の討議を重ねた。

 今後定められたプロトコールに当てはまる照会の場合は、薬局側は調剤後に病院側に変更の報告をすればよくなる。「効率化というだけでなく、より高度な問合せができるようになる」(区薬剤師会)と期待を寄せる。

 また両者は、今年度の日本医療薬学会や日本薬剤師会学術大会などで、この取組みへの調査と評価について発表を行う予定となっている。

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