来年の長崎市長選 田上氏、出馬明言せず 定例会見

 長崎市の田上富久市長は18日、来年4月の任期満了まで残り1年となったことに関し、次期市長選出馬を巡る態度は明かさず、整備を目指すMICE(コンベンション)機能を中核とした複合施設などについて「しっかり方向付けをすることが責務。全力を尽くす」と述べるにとどめた。
 同日の定例会見で報道陣の質問に答えた。
 田上市長は現在3期目。市の現状は「次の時代の基盤をつくる時期。少しずつ形が見えてきた」と指摘。ただ、JR長崎駅西側に計画する複合施設は市議会の慎重論が根強く、整備を担う予定の企業グループのうち1社が失格となり、代替企業も決まっていない。一方、全線フル規格を求めている九州新幹線長崎ルートの整備方針は夏までに決まる見通し。「この1年は大事な年になる」と述べた。
 また、ふくおかフィナンシャルグループと十八銀行の経営統合審査を巡り、田上市長は3月に県市長会長として公正取引委員会と金融庁を訪ね、統合実現への協力を求めた。公取委が県内の寡占化による競争の制限を懸念していることについて「地方創生を進める上で、県内の競争だけを見るのではなく、地域に貢献し、他地域とも競争できるしっかりした金融インフラの存続が必要だ」と語り、改めて統合実現への期待を示した。

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