アルミ合金船舶の「ツネイシクラフト」、修繕事業を強化 引揚船台を新設

 アルミ合金製船舶を手掛けるツネイシクラフト&ファシリティーズ(TFC、本社・広島県尾道市、社長・神原潤氏)はアルミ合金製船舶の修繕事業を強化している。このほど1億5千万円を投じ、本社工場内に350総トンまで対応できる引揚船台を新設した。TFCは新造船事業に加えて修繕事業を充実させ、アルミ合金製船舶の建造、修繕において船舶のライフサイクルに合わせたサービスを提供していく。

 新設した引揚船台は、引揚レールを5本設置することで複数の船舶を別々に上架でき、350総トンまで対応可能になる。また修繕、点検、改造など、さまざまなニーズに作業効率を上げて対応するため、10トン門型クレーンや2連ドラム式6トン電動ウインチを設置した。

 アルミ合金製船舶の新造船建造を事業の柱とするTFCでは、離島航路用船舶などの発注増加に伴い、好調な新造船建造に注力してきた。一方で修繕サービスへの対応に課題があったことから、設備の増強を判断した。今回の引揚船台の新設によって、修繕サービスの拡充が可能になるほか、大型の新造船の需要へも対応が可能になる。

 TFCは10年に設立した船舶メーカー。アルミ船舶の建造・修理、総合建築業、救命艇保守点検を手掛ける船舶メーカー。旅客船や漁業取締船などで多くの建造実績を持っている。

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