両者の議論、平行線 災害救助法改正 「一元的にシンプルに」知事 「被災者寄り添う支援」横浜市長

 災害救助法の改正を巡り主張が対立している黒岩祐治知事と林文子横浜市長は、18日の定例会見で、それぞれの持論を展開した。黒岩知事は「命を守るためには一元的に、シンプルにやることが大事」と法改正する必要はないと主張。林市長は「県と協力して被災者に寄り添う支援のためにぜひ法改正してほしい」と求め、議論は平行線をたどっている。 

 政令指定都市への権限移譲は当該道府県との連携を条件に首相が指定する形になる見通し。知事は「連携にはお互いの合意が必要。神奈川県は同意しないから連携できたという形にはならない」との認識を改めて示した。

 法改正について知事は、県が進めてきた広域防災政策にも逆行しかねないと懸念。人的、物的支援の分配などで公平性が保たれなくなるとし、「政令市にぱっと確保され、全県には届かなくなるかもしれない。また、刻々と変化する事態への対応が遅れる可能性がある」と指摘した。

 政令市との合意形成にも「私が言っていることに間違っていることはないと思っている。もし反発があるなら丁寧に説明していきたい」と強気の姿勢を崩さなかった。

 政府は改正案を月内にも閣議決定し、今国会への提出を目指す方針だが、知事は「まだ法律が通るとも思っていない。県民の命を預かる立場で、マイナスになるような法改正には最後の最後まで抵抗していきたい」と息巻いた。

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