10周年「みんな笑顔に」 知的障害者の若者バンド 22日、横須賀でライブ

 知的障害のある若者でつくるバンド「そよかぜバンド」のライブが22日、横須賀市本町の市立総合福祉会館7階で開かれる。結成から10周年の節目を迎え、メンバーらは「お客さんと一体となってみんなが笑顔になれれば」と話し、大勢の来場を呼び掛けている。

 そよかぜバンドは、市立岩戸中学校(同市岩戸)の特別支援学級「そよかぜ学級」の男子生徒と当時担任だった中川茂さん(63)が音楽の授業を通して結成し、ほぼ毎年ライブを開催。現在のメンバーは18~24歳の6人で、日ごろは一般企業や障害者の通所施設などで働いている。

 バンドでは、ドラム、マリンバ、タンバリンなど一人一人が異なる楽器を担当。16日の練習では、メンバーが音楽に合わせて体を揺らし、本番さながらの盛り上がりを見せた。

 10年の節目にボーカルの川上翔馬さん(23)が思い出すのは、初ライブとなった中学校の合唱コンクール。「全校生徒が見守ってくれて、最後は一緒に手拍子をしてくれた。本当にうれしかった」とほほ笑む。中川さんも「障害があって普段はなかなか主役になる機会がない子どもたちが、ステージの魔力にとりつかれた」と振り返る。

 22日のライブでは、「明日があるさ」、「さんぽ」、オリジナル曲など8曲を演奏する。川上さんは、「客席で手拍子をするだけでは物足りない。お客さんもステージの前に出て一緒に歌ったり、踊ったりして盛り上がってほしい」と話している。

 入場無料で午後3時から。問い合わせは同バンド事務局電話090(6127)6962。

本番に向けて練習するメンバーら=横須賀市本町

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