北松農高生に「みどりの日」大臣表彰 キヒラトユリの増殖活動評価

 長崎県平戸市田平町の県立北松農業高(田上和利校長)生物工学部(5人)の生徒たちが取り組んできた、希少植物キヒラトユリの培養・増殖活動が、環境省の2018年度「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰を受けた。
 同校によると、キヒラトユリはコオニユリの変種で、1950年代まで平戸島の中津良地区で栽培されていたが、ウイルス性の病気で絶滅したとされていた。その後、市内の民家で現存しているのが発見。同校が市の依頼で2001年から保全に取り組み、同部生徒が球根を増殖し、開花させたキヒラトユリを市役所で展示しているほか、11月の農業文化祭では球根を来場者に配布する活動を続けている。
 表彰は、自然環境保全で顕著な功績のあった個人・団体に同省が1999年度から贈っている。本年度は全4部門に全国から計43件の推薦があり、38件が選ばれた。
 同校の生徒たちが受けたのは、同表彰の「いきもの環境づくり・みどり部門」。「実験などの取り組みによりキヒラトユリの絶滅を防ぐなど、生息環境づくりに尽力した」などと評価された。
 表彰式は16日に東京であり、3年の熊本梨佳副部長(17)は取材に「表彰は先輩たちのおかげ。これからも継続して取り組み、後輩につなげたい」と話した。

表彰を受けた生物工学部の生徒ら=平戸市、北松農高
開花したキヒラトユリ(同高提供)

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