【財務次官セクハラ疑惑】調査方法「撤回を」署名3万6千筆を提出

 財務省の事務次官によるセクハラ疑惑を巡り、弁護士有志10人が19日、被害女性に名乗り出ることなどを要請した同省の調査方法の撤回を求める3万6千筆を超える署名のうち2万7千筆の署名を同省に提出した。呼び掛け人の一人で、セクハラ問題に詳しい太田啓子弁護士=藤沢市=は「財務省の調査方法は許されない」と批判した。

 同省は、報道各社に対し、セクハラ発言をされた女性記者がいれば同省と顧問契約を結ぶ弁護士事務所に名乗り出るよう求めている。弁護士有志はセクハラ自体があってはならないとした上で、外部委員を入れた第三者組織による調査など中立性を確保しなければならないとしている。署名集めは、インターネット上で17日午後5時に開始。19日までに合計約3万6千筆余りが寄せられている。

 有志の一人、内山宙(ひろし)弁護士は「財務省の手法は利益相反に当たる。セクハラ問題の対応として非常識すぎる」と糾弾。1989年に日本で初めてとなるセクハラ訴訟の原告代理人となった角田由紀子弁護士は同省の姿勢に「世の中の常識と比べて、信じがたい認識の低さだ」と語気を強めた。

財務省に対して調査方法の撤回を求める弁護士ら=19日午後、東京・千代田区の参議院議員会館

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