フットゴルフ「日本チャンピオン」冨沢和未選手インタビュー※冨沢選手のレッスン動画1~3も掲載!!

 フットゴルフは2015年に初めて日本代表が選出された「サッカー」×「ゴルフ」の新スポーツです。初めての日本代表になった6名の選手は「オリジナル6(シックス)」と呼ばれています。Golaco[ゴラッソ]では、昨年から彼らのインタビュー記事を連載形式で掲載しています。

 今回は第5回目。フットゴルフで唯一3年連続「日本チャンピオン」の座を獲得した(※フットゴルフウェブ.jp参照)日本代表選手。そして、元フットサル日本選抜の選手であり、現役フットサル指導者の冨沢和未(とみざわ かずみ)選手にインタビューしてきました。

 今回はインタビューと併せて冨沢選手に協力してもらい、日本チャンピオンの冨沢選手が直接出演し指導する「フットゴルフ」の「基礎レッスン」動画も撮影してきました。

 こちらについては記事の中で掲載するので、これからフットゴルフを始めてみたいという方はぜひチェックしてみてください!

日本フットゴルフ界初の3年連続チャンピオン冨沢和未選手

関東でフットゴルフ!小山市のTBC太陽クラブで冨沢選手を取材!

 冨沢和未選手は2015年、2016年、2017年の3年間、日本チャンピオンの座に輝き続けたフットゴルフ界至宝の選手です。

 2017年10月には、長野県の軽井沢72 ゴルフ南コースで開催された、日本初めての国際大会「FIFG WORLD TOUR JAPAN FOOTGOLF INTERNATIONAL OPEN 2017」の場で、日本人最高順位を叩き出し、競技志向のフットゴルフ選手の間では知らない者はいない圧倒的な日本の王者として君臨しています。

 フットゴルフは2014年頃から日本でプレーされるようになったということもあり、冨沢選手は日本のフットゴルフの歴史上、最も長い期間日本チャンピオンの座に就いている選手ということになります。

 今年は3月からフットゴルフの公式大会ジャパンオープンが開幕していて、冨沢選手が今年も日本チャンピオン記録を更新するのか、注目が集まっています。

【冨沢選手の経歴】


1998年 高校卒業と同時に東京・神奈川・静岡でフットサル選手スタート

2004年 フットサル選手引退

2005年 フットサル普及活動を始める

2006年 フットサル指導者としても活動を始める

2014年 フットゴルフと出会う

2015年 フットゴルフ 日本チャンピオン

2016年 フットゴルフ 日本チャンピオン

2017年 日本初めての国際大会「FIFG WORLD TOUR JAPAN FOOTGOLF INTERNATIONAL OPEN 2017」で日本人最高順位(10位)

フットゴルフ 日本チャンピオン


レッスン動画付き!日本チャンピオンにフットゴルフのやり方を教わろう!

 フットゴルフをプレーするうえで基本になる3本柱は「ティーキック(ショット)」「アプローチキック(ショット)」「パット」です。フットゴルフはサッカーボールを使用しますが、ルールはゴルフとほとんど同じなので、登場する用語もゴルフ用語が適用されます。

  フットゴルフは案ずるより産むがやすし。実際に1回プレーしてみると想像するよりずっと感覚で理解することが可能です。しかし、現在のところメジャースポーツのような指導書はなく、世界各国の選手の試合動画を気軽に視聴することもできないので「戦略の考え方がイメージできない」という方もいるのではないでしょうか。

 そこで冨沢選手の協力のもと「ティーキック」「アプローチキック」「パット」について。プレーや戦略の考え方も含めて教わるレッスン動画を撮影してきました。

 まずはロングキックの動画。「ティーキック」には、ロングキックが適しています。フットゴルフでのロングキックの考え方を教わりました。

 続いては「アプローチキック」の動画です。

 続いては「パット」の動画です。まずは、フットゴルフをプレーするうえで気を付けなければならないポイントと、NG例を教わりました。

 フットゴルフは「確実にカップインする」とガッツポーズをしたくなるような場面でも、カップのふちをサッカーボールが舐めて入らないことが多々あります。気を付けるべきポイントを知ることで、すっきりカップインする確率を上げましょう!

 最後は「パット」の成功例について教わりました。

 フットゴルフ初心者の方は特に、サッカーボールがある位置からカップまで、直線での最短ルートを考えてキックする方が多いようですが、日本のトップランクにいる選手たちは必ずしも最短ルートを意識しているわけではありません。最短ルートではなくても、自分と周りのスコアを計算しながら、調整してカップインを目指す思考を大切にしているようです。

 とはいえ、何事もまずは基礎が土台になります。フットゴルフはゴルフ程の難易度があるように見えないことがあるかもしれません。しかし、実際にプレーしてみると、言葉にできない難しさを実感できます。

 フットゴルフに興味がある方はぜひ、冨沢選手のレッスン動画を参考にして、フットゴルフにチャレンジしてみてください!

 冨沢選手の動画を撮影したのはTBC太陽クラブ(栃木県小山市神鳥谷2247-3)というフットゴルフ用コースを持つゴルフ場です。TBC太陽クラブはフットゴルフ初心者でもプレーしやすく、フットゴルフデビューするゴルフ場としておすすめです。

フットゴルフ日本チャンピオンは元フットサル日本選抜の選手

――冨沢選手は元フットサル日本選抜選手ということですが、元々フットサルのみをしてきたのですか?

「最初はサッカー部でした。小学校5年生の終わり頃に、友達に“サッカー部に入ろうよ”といわれたことがきっかけでサッカーを始めましたが、僕は他の人より何年も遅れてサッカーを始めたので、全然ボールの扱いが上手くならなくて。下手くそだったんです。それで、ゴールキーパーならできるかもしれないと、途中からゴールキーパーに転向しました」

「だけど、中途半端なタイミングでゴールキーパーに転向しても、僕よりもっと上手な選手がいたので、試合には出られませんでした。小学校生活は下手くそサッカー選手でした」

――その後もサッカーを継続しましたか?

「小学校のサッカー部の顧問の先生が“1年間だけ陸上部に入って、足を速くしてからサッカー部に戻って活躍した”っていう話をしていて、それを聞いて、僕は“この先生カッコいい”と思って、真似することにしたんです。それで、とりあえず陸上部に入りましたが、自分が入学した中学校では、途中から部活を変わることができなくて、まさかの展開で3年間陸上部に所属することになりました」

「サッカーがやりたいけど、仕方がないので中学2年生の頃からは、中学校の陸上部の活動とは別に、社会人サッカーチームに加入してサッカーをするようになりました。陸上部の活動をした後、夜は社会人サッカーでサッカーをしました。その後、高校に入って、高校からはついにサッカー部に入りました」

「そして高校時代は、サッカーと併せて少しフットサルもするようになりました。高校を卒業する頃にはフットサルの道に進みたい気持ちになっていたので、フットサル選手の道を選択しました」

――フットサル選手として日本選抜に選ばれたこともありますよね?

「はい。今でこそFリーグがあってフットサルも注目されていますが、僕が日本選抜に選ばれた頃はまだ、Fリーグはありませんでした」

「Fリーグができたのは約10年前です。僕が現役を辞めたのは2005年なので、Fリーグが登場した時期には被っていません。僕は、まだ地域リーグしかない頃にフットサル選手として活動していて、Fリーグができる前に辞めて指導者と普及の道に進みました」

――冨沢選手は現在もフットサル指導者として活動をされていますが、その道は選手時代から考えていましたか?

「僕が現役を辞めるタイミングで、日本サッカー協会のほうで“フットサルを普及する”ということが決まり“誰かフットサルの選手に普及の道に来て欲しい”という話がありました。フットサル選手が選手として活躍することも大切だという気持ちはありましたが、選手を継続するか普及の道か、どちらを選択しようか迷った時に、僕はフットサルについて誰でもできる楽しいスポーツだと思っていたので、普及の道に携わろうと決めました」

「そこで自分の中で、フットサル選手としての生活に区切りをつけました。そして、“フットサルってこういうものです”という普及活動を本格的に始め、並行して指導者になりました。現在はフットサルチームも教えていますが、その他教室とかスクールとか、様々な場所で教えています」

「指導者になってからはフットサルを指導する他に、例えば・・・筋トレだとかフィジカルトレーニングだとかバランストレーニングだとか、いろんなトレーニングに手を出してしまったらですね。教えられるものが増えたので、それをきっかけに様々な市町村やスポーツ団体だとかに頼まれて色々な運動やトレーニングの指導をするようにもなりました」

指導者としての生活~フットゴルフとの出会い~選手として本格始動

――フットサル普及メンバー、フットサル指導者として活動していた冨沢選手は、どのようなきっかけでフットゴルフと出会い競技志向になっていったのか教えてください。

「フットゴルフが日本でプレーされるようになって今年の夏で4年です。4年前は、僕がフットサルの普及活動を始めてから10年経過した時期でした。ずっとフットサルの普及活動をやってきていた僕に“フットゴルフっていう新しいスポーツを日本に運んできた人がいるよ”って教えてくれた人がいました。今までフットサルの普及に携わってきたから“同じフットボールの仲間として、フットゴルフの普及も手伝ってあげれば”という話を頂き、フットゴルフと出会いました」

「ちょうど良いタイミングで、日本フットゴルフ協会が開催する大会があって。まずは試しに経験してみようという感覚で、フットゴルフの大会に出場しました。そしたら、そのまま自分がフットゴルフの魅力にのめりこみました」

――冨沢選手がその時感じた魅力とは何ですか?

「まず、フットゴルフはサッカーボールを蹴るスポーツですが、ボールを蹴ったことがあってもなくても、ボールは円いので突っついてしまえば転がっていきます。だからサッカーやフットサルを経験したことない人でも誰でもプレーできる。 その中でサッカー場やフットサルコートのように平らではないゴルフコースでプレーし、障害物があって、アクシデントも起こる中、皆で和気あいあいと楽しめます」

「それに、老若男女関係なく誰でもできますし、自然がたくさんあるゴルフ場でサッカーボールを蹴るっていうのは気持ち良いです。そしてラウンドしていれば良い距離歩きます。運動量もそれなりにあるので、健康のためにも良いスポーツです。生涯スポーツとしての面もあります」

「これまで僕はフットサルについて老若男女誰でも楽しめるスポーツだと感じてきましたが、フットゴルフはもしかしたら、フットサルが持つ誰でもできる要素をさらに超えるかもしれないと思います。そこに魅力を感じ、自分なりにフットゴルフを普及していきたいと考えるようになり、動き始めました」

「ありがたいことにフットゴルフと出会ってから、初代日本代表にも選出してもらえたので、競技者としても真剣にフットゴルフに向き合うことになり、フットゴルフ選手兼、普及活動というスタイルを確立して活動するようになりました」

冨沢和未選手とフットサル仲間

群馬県在住の冨沢選手の活動!「フットゴルフ」×「普及」

――最近のフットゴルフの普及活動について教えてください。

「総合型の地域のスポーツクラブなんかに大会を紹介して開催してもらっています。僕が住んでいる群馬県は雪が多くて、冬はなかなか外のゴルフ場でプレーができないので、冬の間は室内に簡易コースを作って、幼稚園児から大人まで楽しくできるような催しをさせてもらうなど活動しています。それから地域の文化祭なんかでも、フットゴルフコーナーを毎年置いてもらっています」

――コンペのようなスタイルではなく地域での地道な普及活動ということですか?

「ゴルフ場でのフットゴルフコンペについては、初めて日本代表になって国際大会から帰ってきて、すぐに実行しましたが、大会とかコンペは他の選手もアクションを起こしています。それに、いきなりゴルフ場に行くっていうのは敷居が高いかもしれないので、フットゴルフを体験してもらうのにもっと手軽な方法ということで、この1年2年はそのような活動にチャレンジしています」

フットゴルフ初代日本代表の仲間への想い

冨沢和未選手と初代日本代表メンバー

―オリジナル6(フットゴルフ初代日本代表)の他の5人に対する想いを教えてください。

「そうですね。オリジナル6は、フットゴルフ始めてばかりの頃、初めての日本代表に選ばれた仲間です。今はフットゴルフの仲間も増えましたけど、オリジナル6の仲間と切磋琢磨した3年間の時間はとても濃い時間だったと感じています」

――オリジナル6で特にライバル視してしまう選手はいますか?

「僕はフットゴルフに対する考え方が他の選手と違っていて、1人のプレーヤーをライバル視しているわけではありません。プレーの1場面1場面を区切って、こういう時はこの選手がライバルという風に考えていて、場面場面で色々な選手を意識しています」

「特に誰か、というわけではありませんが、常に選手たちと競い合っています。オリジナル6の、僕以外の5人は、場面場面を区切って考える僕のやり方の中で、特に出現率が高い人たちです。5人ともすごいなぁと思うし尊敬してます。5人全員フットゴルフで上を目指し続けているので、これからも良いライバルです」

――オリジナル6の中にプライベートで仲が良い選手はいますか?

「僕は群馬県の北のほうに住んでいるので、首都圏在住の他の選手と、住んでいる場所の距離が近くありません。そういう事情もあって、プライベートで特に仲良くしている回数が多い人はいないんですけど、時々仕事で東京に行くと“トミーがきたから飲みに行こう”とか企画してくれることもあって、すごくありがたいです」

「あとは一緒にコンペをやったり、僕がコンペをやるときに参加してくれたりすることが多いのは、田中雄太選手です。強いていうなら田中選手との時間が長いです」

インフォメーション

冨沢和未選手

1979年10月15日生まれ

日本サッカー協会技術部所属/フットサル指導者

元フットサル選手

フットゴルフ2015~2017年日本チャンピオン、日本代表

レッスン動画撮影場所

TBC太陽クラブ

http://www.tbctaiyoclub.com/index.html

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