願い込めたフジ見頃

 伊勢原市内で紫色のフジが見頃を迎えている。同市上谷の石田牧場創業者の石田昭治さん(88)方では樹齢200年以上の古木が広さ約130平方メートルの棚に沿って、長さ120センチほどの房を垂らしている。

 植栽された江戸後期の1816年、飢饉(ききん)や疫病が流行。「生まれてきた子どもに健康に育ってほしい」と4代前の先祖が願いを込め、家紋のフジを植えたという。幹回り約2メートル、藤棚の高さは約2メートル。1994年に市の保存樹木に指定された。

 今年は開花が10日ほど早く、見頃はゴールデンウイーク前まで。石田さんに断れば、庭を見学できる。場所は石田牧場近く。問い合わせは、小田急線伊勢原駅内の観光案内所電話0463(95)5333。

見頃を迎えた石田さんのフジ=伊勢原市上谷

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