昇格直後に“救世主”に 中日モヤが語る適応の理由と日本生活の苦労話

1軍昇格即スタメンで結果を残した中日・モヤ【写真:荒川祐史】

20日の広島戦で「4番・一塁」で先発し、早速4安打の大活躍

 5連敗中だった竜の救世主となった。20日、本拠地のナゴヤドームで行われた広島戦。最近、低調だった中日打線に勢いをもたらしたのは、この日1軍に初昇格したばかりのスティーブン・モヤ外野手であった。

 米国市民権の取得手続きのために渡米したダヤン・ビシエド内野手の代役として出場選手登録されたモヤ。ウエスタンリーグで打率.377の好成績を残し、この日チームに合流。いきなりスタメン、開幕後に初めて守ったという一塁手で、しかも4番に座った。

 同点で迎えた3回1死一、二塁での第2打席でバットを折りながらも右前へ。来日初安打が勝ち越しの適時打となり、初打点をあげた。5回無死一塁では右翼越えの二塁打を放ってチャンスを拡大し、4点目のお膳立てをした。さらにここから、救世主“モヤさま”の輝きは増した。

 先発の小笠原が崩れて5点を失い、逆転されて迎えた7回の攻撃。1死で打席に入ると、広島2番手の中田から左中間を破る二塁打を放って出塁。2死二塁となってから、高橋、福田、代打・藤井、代打・亀澤、大島、京田と怒涛の6連打で逆転。さらにこの回2度目の打席で、助っ人は左前に2点適時打を放ち、鯉にトドメを刺した。

 来日初昇格初先発で初安打初打点を含む4安打3打点。初の猛打賞で、お立ち台にも上がった。「神様が全てはコントロールしてくれている。やるべきことをやるというのを心がけて、しっかり準備をしてきた。ファームに行くことが決まった日、やれることをやって、あとは全て神様に任せようと思って、それでリラックス出来るようになったのが大きかったね」。開幕1軍から漏れてファームに行っても、真面目に、落ち着いてプレーに取り組んできた。

日本に来てからの苦労は「ホテルのシャワーが低い」

 ファームで高打率を残し、1軍デビュー戦でも4安打の大暴れ。日本の野球へどうやって適応しているのか? その要因をモヤは「とにかくリラックスして打席に入ること。バットに当てれば、あとは神様が導いてくれる。とにかくリラックスして打席に入ることだね」と語った。

 初陣でいきなりの大活躍。しかもチームが大逆転勝利で連敗を止めたとあって、ドラゴンズファンの心をしっかりと鷲掴みにしたであろうモヤ。来日して2か月半が過ぎた日本生活で苦労していることがあるという。それは……。

「ホテルのシャワーが低いんだよ。それがしんどいよね。屈みながら、シャワーを浴びなきゃいけないんだから」

 身長201センチの体格を誇るだけに“日本サイズ”では全てが小さい。その中でも、ホテルでの入浴タイムが最大の苦労のよう。さらに「あとは扉が小さいよね。キャンプで沖縄にいる時に何度かぶつけたね。今は慣れたから、屈むようになったけどね(笑)」と語っていた。

「これまでは2軍だったからかな? 1軍に来たら、(ホテルも)優雅になるかな?」と語り、1軍での快適な“ホテルライフ”に大きな期待を寄せていたモヤ。それを実際に味わうためには、打って打って、打ちまくるしかない?

(Full-Count編集部)

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