技術と世相知る端午の節句飾り 平塚

 平塚市博物館(同市浅間町)に昨年寄贈された昭和期の「端午の節句飾り」4組が同館2階の情報コーナーに展示されている。昭和初期の工芸技術の粋が凝縮された1935(昭和10)年作のものから、戦局悪化で節句人形も配給制となった44年、戦後の高度経済成長期でガラスケース入りが主流となった70年、73年と、それぞれの世相を映している。

 44年の五月人形は「母親が毎日のように国府津から平塚市の平田人形店に通い、やっと入手した」と解説されている。金属類はほとんど使われず、よろいやかぶともそれらしく着色した紙製だ。

 5月13日まで。入館無料。4月30日を除く月曜休館。問い合わせは、同館電話0463(33)5111。

初節句のためにそろえられた端午の節句飾り。右端は昭和10年のもの=平塚市博物館2階情報コーナー

© 株式会社神奈川新聞社