避難所環境改善へ 綾瀬市立の小学校にマンホールトイレ 

 災害時の避難所の環境を良くしようと、綾瀬市は2018年度、マンホール上に簡易便座などを置く「マンホールトイレ」を市内の小学校3校に整備する。

 マンホールトイレは囲いを設置して使用し、下水道管にし尿を流す仕組み。段差がなく、高齢者や車いす利用者も使いやすいほか、くみ取りが不要で、臭いが少ないのが特徴だ。

 市は16年4月の熊本地震をきっかけに本格的に導入の検討を重ねてきた。

 発災時、避難所ではトイレを我慢しようと、水分摂取や食事を控え、それが一因となって健康被害が生じる恐れがあることから、市は整備を通じて避難者の心身両面の負担軽減を目指す。

 18年度は天台小、綾南小、早園小に各10基設置する計画だ。男性用と女性用がそれぞれ5基。このうち各1基が障害者対応となる。1基につき50~100人程度の使用を想定する。

 市では大規模地震発生時における3校の避難者数を約8700人と想定しており、仮設トイレなども併用していく考えだ。

 今年秋ごろまでに実施設計を行い、その後、工事に着手する。市は18年度当初予算に事業費として3800万円を計上。工事費は国から2分の1の補助がある。

 市危機管理課は「過去の災害からトイレは大きな問題。できるだけ使いやすいトイレを提供し、環境の改善につなげたい」としている。22年度にかけて小中学校全15校に各10基設置していく方針だ。

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